LCS Cloud9 VS Echo Fox
Cloud9 vs Echo Fox
LCS第8週1日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
C9はすでにプレイオフ進出を決めているため、MIDをNisqyからGoldenguleへ変更しています。
C9はゾーイ、スレッシュ、ジェイスをバン、Foxはキンドレット、カシオペア、ヤスオと全てターゲットバンを行います。
C9の1stpickはサポートとして今評価の高いガリオです。
それに対しFoxはガリオと相性の良いJ4のとりあげとガリオに対してのカウンターとして出てきているブラウムを選択します。
ラストピックにC9はレクサイとヴェインを選択。レクサイはULTでバックラインに飛び込めることからガリオと相性が良いです。また、C9はプレイオフに向けてヴェインというチャンピオンを選択します。
Foxはこの選択に対し射程で有利をとれるジンクスをピックします。
2ndバンではC9はルブラン、リサンドラ、Foxはシンドラ、ライズと両チームともにMIDに集中的バンを行います。
Foxは1stpickにTOP,MIDのフレックスが可能なブラットミアを選択。
C9はこのpatchで復権したアカリとエイトロックスを選択しTOP.MIDのフレックスを行います。
Foxはラストピックにレーンでコントロールが取りやすいアジールを選択します。
C9はレクサイを生かしてレーン戦から圧力をかけていく構成で、レーン戦後は131をメインとして戦っていき少数戦を仕掛けていくアーリーゲームに重きをおいている構成です。
Foxはレーン戦は安定して進めつつレイトゲームの集団戦に重きをおいています。
C9はエイトロックス、アカリとレーン段階からキルプレッシャーをかけられるチャンピオンを選択しているのに加えレクサイというガンクが非常に強いチャンピオンを選択しています。また、C9は集団戦で勝つのは時間がたてばたつほど難しくなっていきます。131構成を基調としていますが、エイトロックス vsブラットミアのマッチアップは徐々にブラットミアが勝ち始めることが予想されます。131構成は対面に勝つことを前提としているのでこの構成の強みを生かすためにもC9は素早く試合を進める必要があります。
Foxはバックラインに飛び込めるブラットミア、J4。そして高いDPSを出せるジンクス、アジールに加え、ピールに特化したブラウムを選択しています。また、Foxはスケールするチャンピオンを多く取っているため、試合時間が長くなればなるほど有利になっていきます。序盤は相手のキルプレッシャーがとても高いため、安全に行い、装備が整うまで待つ必要があります。
試合展開
ファーストブラッドは12分に起こります。Foxサイドの青バフがわくタイミングを狙って相手ジャングル内に入り少数戦を起こします。C9は序盤から仕掛けることが必須のため、このキルでテンポを取り始め、この後もキルやリフトヘラルド、ファーストタワーとオブジェクト有利を広げていきます。
22分のシーンです。C9は順調にレーン戦を進め構成の強みである131に移行します。しかし、ガリオがWを使った後2対4にも関わらずEで相手に突撃しにいきます。当然人数さでFoxは有利を持っているため1-4トレードになり、Foxがバロンを獲得します。
このシーン、ガリオがEをする前にOMWピングを出しており、C9はここで戦うつもりだったようです。しかし仲間との距離を確認しきれていなかったため、大事故が起こりました。これは完全にコミュニケーションエラーです。
もう一つ、このシーンで大きな問題があります。この集団戦、アカリはTOPタワーを折ったあとに合流したため着いた時には集団戦は終わっていました。2枚目の画像を見るとわかりますが、Foxサイドの体力はまだ多く残っています。しかしこの後アカリはこの中に突っ込んでいき何も得られずに倒されていくというソロキューのようなプレイを行います。もちろんこのシーンの敗北のきっかけは最初のコミュニケーションエラーですが、個人的にはそれよりもこのアカリのプレイの方が不可解でした。
27分、C9がレクサイ、ガリオのコンビネーションを生かして仕掛けます。先ほどのシーンもガリオから入るのではなく、レクサイから入り、そこにガリオのULTで入っていくというようなプレーをすべきでした。
30分の集団戦に負け、バロンを取られたシーンです。この試合で一番意味が分からないことが起こります。
一つずつ見ていきましょう。
まず、この時点でエイトロックスはブラットミアに対し1vs1で勝てなくなっていました。つまり131構成の時間切れが来てしまったわけです。そうなるとC9が勝つには集団戦しかなくなります。しかもFoxは集団戦構成であるため、なるべく早めに戦わなければなりません。そして集団戦を行うにはオブジェクトを利用するというのが一番早いです。この時もっとも利用しやすいオブジェクトは30秒後にアップするドレイクでした。ということはC9が勝つにはこのドレイクを利用し集団戦を起こすことが必要になっていきます。では、集団戦での勝率を少しでも上げるためにできることは何か。それは視界管理です。つまり、このシーン、C9が行わなければならないのはドレイク周辺の視界管理というわけです。
しかし、このシーンを見てみると何故かアカリがTOPのウェーブクリアを行っています。このプレイは本当に謎です。このアカリのプレイによってFoxは一気にドレイク周辺の視界管理を行います。当然C9は4人なのでこの視界争いには参加できません。
この1プレイでC9は集団戦を起こすことができなくなります。
そしてFoxは当然ドレイクを獲得します。ではこの間にC9は何を行っていたかというと、この直後にアップしたバロンの周辺の視界管理を行おうと動きます。確かにバロン周辺の視界管理で相手のTOPサイドの視界まで掌握できれば、このドレイクのシーンと同じような集団戦に臨むことができます。しかし、Foxはドレイクを取ったあとすぐにバロン周辺に向かいます。この短時間では当然ですがC9はTOPサイドの視界を取り切ることは不可能です。つまり、これでC9はドレイク前と同じシーンを作ることができなくなってしまいます。
当然奥の視界まで取り切れていないC9は相手の位置が見えないため、仕掛けることができません。しかし、この瞬間C9は相手の位置が把握できていないのに対しFoxはC9全員の位置を把握できました。そして..
当然仕掛けられ集団戦に負けます。そしてバロンも取られます。
このドレイクから集団戦に負けるまでの一連の流れは本当に意味が分かりませんでした。
C9の構成はウェーブクリア能力がまったくありません。このままバロンを生かされFoxが勝利します。
これでC9は通算11勝3敗になりました。
総評
この試合C9はNisqyに替えGoldenglueが出場しましたが、この試合を見る限り残念ながら彼はトップチームで戦うには難しいという印象を受けました。人数不利にも関わらず戦いに行き不利を伸ばしてしまう、マクロの状況判断の低さ、試合を通してのアカリの存在感の薄さなど課題が多数でるという形になりました。
もちろんZeyzalのコミュニケーションエラーも大きな問題です。このシーンからC9のプランは崩れました。しかし、プランが崩れた中での勝ち筋を潰したのはGoldenguleの影響がとても大きいです。
間違えてはいけないのはこれはチームゲームです。Goldenglue一人の責任ではありません。ドレイク前のシーンはどういう会話があったのか、どのような判断材料からあのマクロ判断になったのか、チーム内で解決していかなければならない問題です。
しかしこの敗北によって3位のTSMに詰められてしまいました。もう一度負ければ同位になる可能性が高いためC9はもう負けることは許されません。緊張感をもって試合に臨むことが必要でしょう。