Rift Rivals C9 vs G2,FNC
Rift Rivals C9 vs G2,FNC
NA vs EUのRift Rivalsが始まりました。WCSを目指しているC9にとっては世界との実力差を知るとても良いイベントですが、初日の2試合では思った以上の実力差がありました。今回はC9とEU上位でどこに差があるのか、考えてみたいと思います。
1, B/Pでのバリエーションの差、考え方の違い
前半部分から行きましょう。G2はヤスオ、グラガス、ニーコ選択しています。LCSやLCK.LJLを中心に見ている私はこの時点でヤスオはMID or BOT、グラガスはSUPに行く可能性もあるが基本的にJG、ニーコはMID or TOPだなと考えていました。おそらくコーチであるReaperedも同じだったと思います。
B/Pの後半を見ましょう。G2はリーシン、TFを選択。この時点でニーコはTOP。TFはMID。リーシンがJGでヤスオとグラガスがBOTレーンだと考えるのが普通です。
これを想定しC9はナーを選択します。ここでナーを選択した理由はBOT,MIDがAPによっていることと、大きなCCをソナしか持っていないことからどちらも補え、安定しているナーを選択したのだと思われます。
C9のソナ、タリックに関しては賛否両論があると思いますが、基本的にC9の考え方として「俺たちの強みは集団戦だから集団戦で勝つ」という姿勢のため、理解はできます。
ただ問題として挙がるのがG2 vs SKTの試合の再現になってしまうのかどうかですが、相手がヤスオ、グラガスであれば何とかプッシュ勝ちも考えられ、パワースパイクであるlvl6もソナ、タリックのULTがあれば対処できるという考えだったと思います。
次が問題のシーンになります。
なんといざ試合が始まるとTOPにいるのはヤスオでBOTにはニーコがいます。
TOPのヤスオ vsナーは圧倒的にヤスオが有利です。BOTにいったニーコは彗星を持っており、グラガス、ニーコのBOTに対してソナ、タリックなんて出したらボコボコにされるのはわかりきっています。
これがNAとEUの差です。レッドサイドの強みの一つは相手の構成をみてカウンターをとれるという点ですが、こんなことやられたらカウンターもありません。なぜなら最終的にこの試合で構成を見て変化させているのはレッドサイドのチームではなくブルーサイドのチームだからです。今までのLOLの考え方が壊れてますね。
結果は舐めプまでされた挙句23分でG2が勝ちます。何から何まで完敗です。
2, タワープレートの重要性
これは今日C9が行った2試合の画像です。どちらもタワープレート数が1-11です。しかもC9はこの1のタワープレートゴールドを獲得することはできていません。EUのチームも多少獲得できていない部分があるものの、14分時点でキル以外の場所で約1500Gも差がついている訳です。
C9 vs G2の試合はB/Pですでに決着がついていたようなものなのでこれだけの差が生まれても不思議ではありませんが、問題はC9 vs FNCの試合でもB/Pで大きな有利不利がついていないにも関わらずG2戦と同じ結果だという事です。
もちろんレーナーの実力差という部分もあります。しかしC9 vs FNCの試合でC9とFNCの間に大きなマクロ差があるシーンがあり、そこから大きく序盤のタワープレートで差がついています。
それがこのC9がリフトヘラルドを獲得したシーンです。このリフトヘラルドを獲得したことがC9 vs FNCでの大きな敗因の一つと言えると思います。
このシーン、注目してもらいたいのがC9は5人全員集まっているのにも関わらず、FNCは3人だけ、あとの2人は寄る素振りを一切見せずレーンにいます。レーンにいるのはTFとGPですが、GPはTPを持っており、TFはULTを持っていることからFNCはその気になればグループし、リフトヘラルドに対してアプローチすることができます。それにも関わらず、最後まで寄ることはありませんでした。
その結果どうなったかというと
C9は無事リフトヘラルドを獲得。対するFNCは5つのタワープレートと1stタワーを獲得します。
面白いくらいにオブジェクト交換になってません。ちなみにC9はこのリフトヘラルドを15分にMIDで出しますが、タワープレートを1枚しか削れていないため、MIDタワーは当然折れません。
このシーンからFNCはタワープレートの重要性と獲得するための最適解を知っていることがわかります。
こういったところがNAとEUの差です。EUはただキルをとって有利を広げるのではなく、ちゃんとこの戦いは有利につながるかどうかの判断をしてから戦っていることがわかります。
3, NAとEU
Rift Rivals1日目の結果はNA 0 - 4 EUでした。これが今のNAとEUの差です。
今日の試合でEUとの間に一番違いを感じたことはEUは序盤のレーンフェイズでタワーを多く獲得することでレーンフェイズが終わった中盤の時間に終盤の動きをしていることです。他の地域もMSIを終えて、このEUに追い付くために試合展開を早くしようとしていますが、大体の地域では序盤からキルが起き始めているものの、序盤からタワーを多く獲得できているチームは少ないです。また、C9もタワーを多く獲得できているチームではありません。
C9はアグレッシブに行くための手段として、レーンガンクやドレイク、リフトヘラルド周辺での少数戦を仕掛け、そこからスノーボールしていくというプレイスタイルでLCSを戦っています。しかし、キルやタワー以外のオブジェクトを獲得するだけに留まっていることも多く、EUに追い付くためには14分までのタワープレートを多く獲得するにはどうするべきかをもう一度考えなおすことが必要かもしれません。
今回の試合、C9はG2,FNCとの試合どちらも23分という速さで負けています。しかし戦い方の違いという大きな収穫を得ることができました。これはとても大きな収穫です。なぜなら改善すべき部分がわかったのですから。
後はどのように改善できるかです。次のOG戦、EUの戦い方をリスペクトしつつこのプレイスタイルを貫くのか、それともEUのプレイスタイルを理想とし大きな変化を見せようとするのか、どちらにしてもC9にとって転機になるのは間違いないでしょう。
しかし、LCKが覇権を握っていた時代でもEUやLPLは自分たちのプレイスタイルを貫いていたことも忘れてはいけません。
非常に難しい決断が要求されています。
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