LCS Cloud9 vs Team Liquid
Cloud9 VS Team Liquid
LCS第7週1日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
TLはカシオペア、キンドレット、ノクターンとC9に対してターゲットバンを集中して行います。
C9はADCの中でティアの高いエズリアル、ルシアン、そして現在評価の上がりつつあるタムケンチをバンします。
TLは1stpickにSUPとして評価の高いガリオを選択します。
それに対しC9はザヤラカンを選択。ティアの高いADCをC9はバンしているためレーンで差がつきやすくなるのはサポートの性能差になります。ザヤラカンという相性の良いチャンピオンを選択することでBOTのマッチアップで有利を築こうとする狙いです。
TLは最後のpickにレイトゲームチャンピオンのカイサ、そして今強力なジェイスを選択します。
C9のラストピックはシンドラです。ガリオやリサンドラなどのユーティリティに特化したチャンピオンが立て続けにナーフされているため、相対的にダメージを出すMIDチャンピオンが増えつつあります。また、集団戦でのCCチェインも強力なため、評価の高いチャンピオンになっています。
2ndバンにTLはレーンが強いヨリック、LCKのGRFが使っていたイブリンをバンします。
それに対しC9はMIDでとても評価の高いルブラン、ガリオとの相性が良いJ4をバンします。
C9は1stpickにTOP,JGで運用可能なエイトロックスを選択。
TLはセジュアニ、オリアナと集団戦に特化したチャンピオンを選択します。
最後にC9はジェイスに対して対抗できるポッピーを選択します。
C9は序盤から積極的に仕掛けていける構成です。MID.BOTを押し込むことができる可能性が高いです。相手JGはセジュアニのため、序盤からプレッシャーをかけにいくことが理想になります。
それに対しTLはカイサ、オリアナ、ガリオ、セジュアニと後半、集団戦に重きをおいた構成になっています。ある程度ビルドがそろえば非常に強力な構成です。しかしセジュアニを選択しているため、序盤から試合を動かしていくのは難しく、レーンフェイズでは耐えることが必要になってくるでしょう。
C9は序盤に寄っているのに対しTLは後半に寄っているため、C9はどんどん仕掛けなければなりません。特にセジュアニというチャンピオンは序盤が弱いため、競技シーンでは評価の分かれるチャンピオンになっています。エイトロックスを選択している以上、レーンでの有利を補助するだけでなく、セジュアニを潰すことも求められています。どちらも集団戦は非常に強力ですが、C9はタイムリミットがあるため、エイトロックスには試合のペースを速め、相手を潰していくという複数のタスクが求められます。C9はできれば20分の段階でゴールド差で2Kがついているのが理想です。
つまり、C9は序盤からどれだけ有利をとれるか、TLは序盤は耐え、どれだけ後半の集団戦の準備ができるかという戦いになります。
試合展開
2分にファーストブラッドが起こります。このゲームはMIDの主導権がとれると試合展開をコントロールしやすくなるため、lvl2でエイトロックスがMIDにガンクを仕掛けます。相手がセジュアニなのもあり、ここで有利をとれるととても大きいため、フラッシュインでタワーダイブまでしてキルをとりにいこうとしますが取り切れず逆にキルを与える形になってしまいました。これは完全な判断ミスといってもいいでしょう。
15分にC9はリフトヘラルドを触ります。しかし結果的に1キルとリフトヘラルドをTLに渡してしまいます。C9はこのリフトヘラルドを取りたかったのか、それともこれをエサにして戦いたかったのか、正直意図がわからない行動でした。
19分に集団戦が起こります。オリアナが孤立していたところをポッピーがキルを狙いますが、ストップウォッチからガリオのULTのコンボで反転しれていしまい、1-4のトレードになってしまいます。このシーンはTL側が非常にうまかったといえるシーンでしたが、C9は序盤から有利を築いていかなければいけない構成上、この集団戦の敗北で構成のプランは崩れたといってもいいでしょう。
ここから0-1,1-2,1-0.0-1と立て続けにキルトレードが行われますが、試合のペースを速めなければいけないC9にとってはマイナスであり、苦しい展開になっていきます。
34分にエイトロックスの体力を削ったTLはバロンを行いますが、シンドラがスティールします。このバロンをとられていたら完全にゲームオーバーだっただけにこの活躍は非常に大きいですが、C9は現状このバロンを生かせることはできないため、残念ながら延命しただけという形です。
そのあとすぐ36分にエルダードラゴンがアップしたためTLが今度はスティールされることなく獲得します。このエルダードラゴンでTLはインヒビターを2つ獲得します。
エルダードラゴンが切れたタイミングでポッピーがTPから仕掛けます。シンドラが泉にいますが、インヒビターが二つとられ、さらにこのままリコールを許してしまうと装備差によって完全に勝ち目がなくなってしまうという状況のため、負けている中での4 vs 5という圧倒的不利の状況でもでワンチャンスにかけ仕掛ける以外なかったと思います。しかし、もともと負け戦の集団戦。なんとか1キルはとりますが、1-3トレードで終わり、そのままTLがネクサスを割り勝利しました。
これでC9は通算10勝3敗となり、リーグ戦で1位抜けするのは絶望的な状況になりました。
総評
この試合C9は序盤から積極的に仕掛けることが必須でしたが、終わってみればリフトヘラルド、ドレイク、ドラゴンを全てとられてしまい、唯一とれたバロンでさえも意図したものではありませんでした。また、要所であいまいな動きが目立ちとても意思統一がとれているチームには見えませんでした。
15分段階でC9はMIDとBOTでタワープレートを合計6枚獲得しています。ここからみてもわかる通り、BOTサイドは序盤C9がコントロールを握っていました。にも関わらず、ドレイクは一つも獲得できていませんし、この有利を生かしてセジュアニにプレッシャーをかけにいくというシーンも一切見ることができませんでした。序盤この試合を動かすべきだったのはエイトロックスを使うSvenskerenの役割でしたが、構成の意図と試合の進め方に大きなズレが生じていたように感じます、TOPに一回ガンクを決めましたが、フォーカスするのはそこではなく、相手JGを潰すべきでした。エイトロックスは今回赤スマイトを選択しています。この選択はセジュアニに対し仕掛けていく意図があったはずです。にも関わらず、構成の通り有利を取れているBOTサイドを完全に制圧しにいくようなプレッシャーは見られませんでした。もちろん、有利を生かして視界をとるという行動は見られましたが、求められているのはそれを生かしてドレイクをとる、セジュアニに仕掛けていくというアグレッシブなプレイです。結果的にセジュアニはファームを続け、TLの狙いである後半のためのドレイク、試合時間の延長という相手の意図通りの試合になりました。この試合、Svenskerenは構成の意図、試合の進め方を把握していたのか、疑問が残る試合でした。
国際戦ではほとんどがさらに格上との試合になるため、TL相手にここまで何もできないとなるとC9は危機感を感じるべきでしょう。C9はLCSでは上位チームのため、TL相手に何かしらの成果を得るのは必須でした。課題が見つかったのはいいことですが、次にTLと戦うのはおそらく決勝になるでしょう。それまでに格上相手にプラン通りの試合を進めることができるようになるかが最重要になります。