LCS Spring Sprit 2019 Cloud9 VS 100Thieves
Cloud9 VS 100Thieves
両チームのBAN/PICK
ブルーサイドのCloud9はバンされなかったエイトロックスを1stピックします。patch9.1の競技シーンではフレックスチャンピオンが特に強いpatchになっていますが、特に強いとされるのがエイトロックスとカシオペアです。理由は3レーン行けるフレックスチャンピオンであることと、どんな構成にも合うからです。これによってチームにどんな狙いがあるのかが全く分からなくなります。
それに対して100側はアーゴットとアリスターをピックします。この2チャンピオンも非常に強力で優先度が高いです。
C9は1stフェイズのラストピックでブラウムとエズリアルをピックします。エズリアルはダブル涙を積むことによって中盤から後半にかけてパワーが落ちることはありません。
100のラストピックはカイサでした。この段階で互いに集団戦を意識している構成をつくっていることがわかります。
2ndバンでは100はエズリアルがいるため、ポークを警戒しゾーイと今流行っているカーサスをバンします。
対してC9はレーン、少数戦ともに強いルブラン、TOPとMIDのフレックスが可能なリサンドラをバンします。
100は1stピックにTOP,MID両方可能なライズを選択します。
これに対しC9はこれもTOP,MID両方可能なビクター、さらにはナーフされ少し評価が落ちたカミールをピックします。シンジャオという手もありましたが、これは相手のADCがBangのため、集団戦でBangを狙い撃ちができるという点を評価してのピックです。
最後に100は6レベル以降からマップ全体にプレッシャーをかけられ、強力なエンゲージ能力を持っているノクターンをピックします。
構成としては互いに明らかな集団戦を意識した構成です。C9はカミール、エイトロックスがバックラインに飛び込み、ビクター、エズリアルがカイトし、それをブラウムが守るという形。
100はノクターン、アリスター、アーゴット、カイサがバックラインに飛び込める構成で不足しているAOEダメージをライズが補うという形です。
このような構成はWCSで流行りましたが、マクロを意識するというより、ガンガン仕掛けていくという形です。簡単に言うと集団戦が負けた方が試合に負けます。どの構成でも言えることですが、特にこのような強気な構成は先にスノーボールした方が勝つということです。
試合展開
4分にエイトロックスがライズ相手にソロキルします。このキルは非常に重要であり、まだ4分の段階ですが、このソロキルによってC9の勝利がほぼ確定したといっていいと思います。
理由は、100Tの構成の主なダメージディーラーがライズとカイサであり、両チャンピオンともパワースパイクが遅いことです。それに対しC9はエズリアルのダメ―ジは高くないものの100相手であれば1アイテムそろえば十分集団戦が可能です。問題はエイトロックスというチャンピオンです。このチャンピオンは特に序盤から中盤にかけてパワースパイクを迎えます。ライズは涙を積むチャンピオンであり、1リコールした後のレーン戦は装備差の面から耐えることが目標になります。しかし、エイトロックスがファーストブラッドをとってしまったため、エイトロックスのパワースパイクが加速し、絶対に勝てないレーンなってしまいまいた。
さらにC9側はジャングルにカミールをピックしています。これにより川周辺は完全にC9が制圧することができます。川周辺を制圧されるということはサイドレーンがダイブされる危険性がある、ジャングルに侵入される危険性があるということであり、このたった1キルだけで、100は試合を進めるのがとても難しくなってしまいます。
パワースパイクの問題とスノーボールした方が勝つという互いの構成を考えるとライズは絶対に倒されてはいけませんでした。
C9が今後大きなミスをしないかぎり、この時点で100のWin ConditionはTOPのビクターに対してガンクを数回決めることであり、アーゴットとノクターンの両方が育つ事が必要になってきます。
12分にC9は有利を築くためにドレイクを触りますが、ここでC9は手痛いミスをします。先ほども言った通り、C9が序盤に作った有利を完全にスノウボールさせるにはエイトロックスというチャンピオンが不可欠です。しかし、このドレイクを触ったタイミングでエイトロックスはTOPにいます。この時間強いのはエイトロックスであり、他のメンバーではありません。カミールがドレイクに体力を半分以下まで削られていたこともあり、2-2交換に持ち込むことはできたものの、ドレイクをとられてしまします。
しかし、その後C9はタワープレートを8枚割りファーストタワーを獲得します。画像の通り、エイトロックスに610ゴールド入っており、エイトロックスのスノーボールが加速します。
14分にはリフトヘラルドをエサにC9が2キル獲得します。これによってC9は完全にスノーボールしたといっていいと思います。
18分にはドレイク前で集団戦が起こりますが、C9がドレイク+3キル+1タワーを獲得し、その後22分にバロンを獲得、後は有利を活かし、C9の勝利となります。
これにより、見事にCloud9はLCS Spring Sprit 2019初勝利です。
総評
この試合の両者の構成はシンプルで、先にスノーボールした方が勝つ。つまり、集団戦で勝った方が勝つという試合でしたが、開始早々のキルでC9は圧倒的有利を手にし、快勝といっていいくらいの試合だったと思います。
しかし、12分のドレイクの所ではエイトロックスがいないにも関わらず、ドレイクを触り、相手に集団戦のチャンスを作ってしまうというシーンもありました。Nisqyは新加入選手ということもあり、コミュニケーションの向上を図っていきたいところです。
ただ、それ以外の所では、きれいに試合を運べることができたと思います。オブジェクトを丁寧にとっていき、C9のペースが落ちることはありませんでした。サイドレーンをコントロールしていないのにMIDに集まり結果的に試合時間を引き延ばしてしまうというNA特有の動きもありませんでした。
今回活躍していたのはエイトロックスを使うNisqyでしたが、その裏で特に活躍していたのはLiciriceでした。ビクターの弱点はガンクに弱い事であり、最初に100のWin ConditionはTOPへのガンクを成功させることと言いましたが、Licoriceはセーフプレイを徹底しており、それがC9のスノーボールにつながった一つの大きな要因です。今回の試合、一見すると楽に勝てた様に見えますが、チーム全員がコーチが考えた構成の意図、自分の役割を理解し、それを着実に行ったことが一番の勝因です。