LCS Cloud9 VS Golden Guardians
Cloud9 VS Golden Guardians
LCS第6週1日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
今回C9はSevenskerenではなくBlaberに替えてきました。
C9はリベン、スレッシュ、エズリアルをバンします。
それに対してGGSはルシアン、サイラス、カシオペアをバン。3体の内、2体がターゲットバンになっています。
1stピックにC9はアリスターを選択。早めにエンゲージ要素を確保します。
それに対しGGSはカリスタとジェイスを選択。この時点である程度アーリーゲームに寄せていることがわかります。
C9は2ndピックにトリスターナとレクサイを選択。トリスターナはこの試合の前のFOX vs TSMの試合でも使われており、LCSでは一定の評価を受けているようです。そしてレクサイはこのpatchでのソロキューOPチャンピオンであり、アグレッシブに動くBlaberのプレイスタイルとも合っています。
1stフェイズのラストピックにGGSはルブランを選択。序盤の強さをさらに強化していきます。
C9の2ndバンはブラウムとガリオ。これはカリスタとの相性の良いチャンピオン達を消した形です。
GGSはリサンドラとゾーイをバン。MIDのプールを狭めていきます。
GGSはタムケンチを選択。GGSは131構成が可能であるためタムケンチを選択することによってプレッシャーをかけることができます。
それに対しC9はオーンとオリアナを選択。オーンは変更によりどちらかというとSUPででてくることが多くなりましたが、今回はTOP運用になります。
GGSはアーリー構成のため、序盤から試合を動かせるエリスを選択します。
C9は明らかなレイトゲーム構成です。トリスターナ、オリアナ、オーンとスケールチャンピオンがそろっています。
それに対しGGSはアーリーゲーム構成です。ジェイス、ルブラン、エリス、カリスタと序盤からプレッシャーをかけ、スノウボールしていきたい構成です。
C9としては主要チャンピオンのビルドがそろうまで極力戦いは避けたいです。そのため、序盤からコントロールされないためにレクサイを選択しています。しかし、TOP,MIDのマッチアップは圧倒的にGGSが有利のため、C9はどれだけBOTにプレッシャーをかけられるかによって試合の進み方が変わってきます。この試合はジャングルを縦に割った形で進むことが予想されます。オーンにとってはきつい試合になりますが、うまく倒されずに試合を運ぶことが重要になってきます。
試合展開
ファーストブラッドは6分、C9がBOTで仕掛け、獲得します。この後キルこそは取られてしまうものの、C9はBOTから作ることが重要なため、悪くないと言えます。
14分にGGSはTOPの有利を生かしリフトヘラルドを獲得します。これを使用しMIDの1stタワーを獲得します。
17分にローテーションで先手を取ったC9が有利を築いていたBOTの1stタワーを破壊します。
この後、定石通りならTOPに互いの1stタワーが残っているため、TOPにスワップするか、GGSの131に付き合い、C9も131を行うかという2つの選択肢が存在します。しかし、C9はあえてスワップせず、再びSneakyがBOTに行き、TOPの1stタワーとBOTの2ndタワーの交換を行います。
このローテーションは完全にC9が上回ったといって良いでしょう。理由は三つあります。
一つ目は単純な「ローテーションで先行をとった」ことです。ドラフトからもわかる通り、GGSはレーン戦が終わった後、必ず131を行います。それがGGSの構成の強みだからです。つまり、レーン戦終了後がGGSの構成の強さが発揮されるということです。通常ならこれに対し下手な行動をとると相手に一気にスノウボールされてしまい。C9の構成の強みであるレイトに持っていくことができません。しかし、C9は相手の構成を逆手にとり、BOTで2vs1の状況を作りました。素早くこのローテーションを行ったことで相手の体制が整う前に相手のオブジェクトを奪うことができました。また、相手はこの時間に戦いたいのに対し、C9はなるべく避けなければなりません。このローテーションによって戦わずして試合を動かすことにC9は成功しています。
二つ目は「1stタワーと2ndタワーの価値の違い」です。これは単純ですが、2ndタワーをとった方が視界の有利を築きやすく相手に強いプレッシャーをかけることができます。オブジェクトの価値としてC9が上回りました。
三つ目に「チャンピオンの性能差」です。これが一番重要であり、ドラフトでも説明しましたが、C9はレイトゲーム構成、GGSはアーリーゲーム構成です。GGSは序盤からプレッシャーをつくり、ゴールド差をつけなければなりません。しかし今回のトレードだと互いにゴールドが入っています。C9はレイトに重きを寄せているため、差が広がらないだけでプラスですがこの段階で両者のゴールドにそこまで差がないため、GGSはゴールドの現状維持ではマイナスになっています。これはスケールするチャンピオンを持っているか持っていないかによって評価は変わりますが、今回GGSは大きくスケールするチャンピオンを持っていないためこのトレードは圧倒的に不利になっています。
そしてこのままローテーションの有利を握ったC9はMIDの1stタワーまで破壊します。
31分、C9が十分に戦えるビルドになったところで集団戦を行い、2キルとバロンを獲得しMIDのインヒビターを破壊します。
36分にはオブジェクト有利を生かしエルダードラゴンを獲得そのまま勢いで攻め、37分に試合を決めます。
これでC9は通算9勝2敗です。
総評
今回C9はBOTでのみから試合を動かすことが要求されていましたが、ドレイクを四つとり、BOTでやるべきことをしっかりとやれたといって良いでしょう。ローテーションの場面ではMIDを先に破壊されたにも関わらず先行することができ、戦いたくない時間をうまく避けることができました。レーン戦後のローテーションは構成によってはとても重要でありBOTの有利からうまく試合を運べることができました。
C9はLCSの平均で一番試合を終わらすのが早いチームであるのにも関わらず今回はあえてレイトゲーム構成で挑みました。また、今回はBlaberを採用したこともあり、戦術の幅を増やそうとしていることがわかります。レイトゲーム構成での戦い方、試合のコントロールの仕方がしっかりできることをこの試合では見せました。国際戦ではLCSのようにBO1のみではなくBO5まであるので戦術の幅を広げることは非常に重要です。C9はしっかりと国際戦を見据えてLCSを戦っていることがこの試合から見て取れます。