C9ファンボの記録

C9ファンボ記録

LCSにて日曜日と月曜日に行なわれているC9の試合のreviewを書いています。

LCS Cloud9 vs Fry Quest

 

Cloud9 vs Fry Quest

LCS第1週1日目に行われた試合です。

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 両チームのBAN/PICK

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C9はspringとメンバーの変更なしで臨みます。変わったところといえばコーチに元CLGのReignoverが入った事です。これでC9は3人の韓国人コーチが所属していることになります。

C9はドレイブン、ラカン、レクサイと序盤から試合を作れるチャンピオンをバンしていきます。

それに対しFryはジェイス、ソナ、そして新しいチャンピオンであるユーミをbanしていきます。

c9は1stpickにガリを選択。この時点でC9はspringとあまり変わらない構成で戦っていくことがわかります。

それに対しFryはイレリアライズを選択。この2チャンピオンはフレックスが可能です。

対してC9はエイトロックスサイラスをピック。こちらもフレックスですが、メタがあまり変わらないせいかC9はここまでspringとまったく変わりません。

Fryは最後にガリに対して強いラウムを選択します。

 

映像トラブルで2ndbanは映っていませんが、C9はエズリアルセジュアニ。Fryはカイサシヴィアをbanしています。

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Fryはここでザヤを選択します。ラカンがbanされているにも関わらずここでザヤをpickした理由は、C9がガリオ、エイトロックスを選択していること、springから考えるとここからオールインの構成を狙っている可能性が高いという考えからです。

C9はヘカリムヴァルスを選択します。ヘカリムガリととても相性が良いですし、ヴァルスを選択することによって不確定なエンゲージ要素を補うことが可能です。

最後にFryはバフされたViを選択します。少数戦に強いほか、FryはTOPから作っていくことが得意なチームであるためTOPのスノーボールの手助けをするための選択です。

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C9は集団戦を意識した構成になりました。ヘカリムガリエイトロックスがバックラインを荒らすことで相手がDPSを出し切る前に倒すことが理想になります。また、サイラスViのULTを奪い、使うことでもう一つエンゲージ要素を増やすことが可能です。Fryの特徴上、TOPサイドから試合を動かしていくことが考えられます。そのため、Licoriseはまずこのマッチアップで有利を作ることが理想です。そこから相手のジャングルに入り相手の狙いを潰す動きができれば試合展開が一気に進むでしょう。そのためにはMIDの連動も必要になってくるため、NisqyもMIDで勝つことが要求されます。最近のメタ上、MIDの有利は試合の勝敗に直結する可能性があります。相手はPobelterと考えるとWCSを勝つためには絶対に有利を作らなければならないでしょう。

 

対するFryはザヤの選択からみてわかるようにBOTはアグレッシブな選択を行いませんでした。つまりBOTはファームし、TOPサイドから試合を動かしていきたい意図が感じられます。Fryの構成としてTOPの2vs2はFryが勝つ可能性が高いです。そこからスノーボールを成功させると一気に勝利に近づきます。しかし、気を付けなければならないのはライズが涙を積んだタイミングです。チャンピオンの特性上このアイテムは必要不可欠ですが、このタイミングはMIDが勝つことが難しいタイミングです。このタイミングに試合を動かされないようにしっかりとコミュニケーションをとる必要があります。

試合展開

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ファーストブラッドは5分にTOPサイドで起こります。ヘカリムがTOPにガンクしようとしているため、エイトロックスはわざと戦いに行きますがダメージ計算をミスしたため、倒されてしまいます。タワーダイブだったため相打ちになりましたがあまり良いとは言えません。その後もエイトロックスはソロキルされてしまいます。

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9分にC9はジャングル内でViを捕まえます。エイトロックスが2回もソロキルされているにも関わらず相手より早くプッシュを行い相手の森に入っていくシーンが目立っていましたがそこからキャッチに成功します。MIDもこのタイミングはライズが涙を積んでいるのに対し、サイラスリボルバーが完成しているため、先に動くことができます。これはLicoriceがとてもうまくやったシーンですが、FryにとってはTOPから動かしていくことが理想だったために苦しい展開になっていきます。

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15分にC9はヘラルドを生かしMIDの1stタワーを獲得します。この何気ないシーンですがこの画像を見てもらうとわかる通り、C9は5人MIDにいます。一見簡単に見えますがこのシーンからC9はサイドレーンをコントロールしており、先に動ける状況であること、一つのオブジェクトに対してチーム全員がどのようにコミュニケーションを行い、動くべきか、連動すべきかを把握していることがわかります。こういったマクロの動きがC9の強みであり、Spring2位につけた要因の一つです。

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24分にドラゴンをめぐり集団戦が起こります。この一つ前にもドラゴンをめぐって集団戦が起こっていましたが、その時はC9が真正面から戦いにいったためラウムのULTに止められてしまい、0-2トレードで勝つことができませんでした。しかし今回はエイトロックスが横から入ることで相手の陣形を乱し、得意の集団戦構成でエースをとることができました。

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ドラゴンをとったあとC9はバロンも獲得します。このバロンを生かし、C9はBOTとMIDのインヒビターを獲得します。

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その後の32分にバロン周辺の視界争いから集団戦が起こります。しかし、この集団戦、C9はライズ、ザヤというキャリーに対し全くプレッシャーをかけに行くことができませんでした。その結果2-3トレードとC9にとってはおいしくない交換になりました。そもそもスーパーミニオンがわいている状態で戦う必要があったのかが疑問です。仮に集団戦が強い構成のため戦いたかったという判断だったとしても、もう少しまてば誰かがミニオンの処理に向かわなければならない状況が起こるため、必然的に5vs4を行うことができます。相手にオブジェクトは取られなかったもののこの判断は結果としてミスとなってしまいました。

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その後2分後にもう一度C9は集団戦を仕掛けます。この集団戦は見事でした。2分前の集団戦とは違い、サイラスライズヘカリムガリはコンボを生かしてザヤに張り付きプレッシャーをかけにいきます。その結果4-2トレードで集団戦に勝利します。

24分のドラゴンのシーンもそうでしたが、この試合、C9は一度行ったミスに対しての修正力がとても高かったです。これはなぜ集団戦に負けたのか、どうしたら勝てるのかという要因を把握している証拠であり全員が考えてコミュニケーションを行っているという証拠です。

試合の完全な内容をコーチが予想するのには限界があります。そのため試合中は選手が自ら考え、決断していく力が必要になってきます。選手のプレイヤースキルのほかにこの力は非常に重要であり、少なくともC9はこの試合でその力があることを見せました。

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この集団戦に勝ったC9はこのままネクサスを破壊し35分という試合時間で勝利します。

これでC9はsummer開幕戦を勝利で飾ります。

総評

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今回C9はメタの影響もあってかspringとあまり変わらない構成で戦いました。しかし内容は大きく違いました。今までのC9はジャングラーが積極的に動いていきテンポを作る、それを機会にスノーボールしていく印象が強いチームでした。しかし今回はそういった序盤からのアグレッシブさは見られませんでした。これはチームの方針かわかりませんがこの影響によって35分という少しC9にしてはゆったりとしたゲーム展開になったことは間違いないでしょう。また、BOTレーンが大きくCS差をつけ、有利をとっていたにも関わらずBOTにプレッシャーをかけることがありませんでした。もちろんFryの狙いを潰すためにTop中心に試合を進めに行ったという事情はわかりますが、それにしてはジャングルの圧力も少なく、集団戦までヘカリムが活躍するといったことはありませんでした。今回のC9はspringにあったアグレッシブさが無くなってしまった印象があります。MSIを見てわかるように、今のメタは序盤の有利がとても重要です。ここにきて序盤のアグレッシブさを控えたのは意図的なのか慎重になってしまったのか、気になる部分です。

もう一つ気になる点として、この試合、TOPは2回、MIDは一回ソロキルされています。これは非常にまずいといえるでしょう。今のメタは有利をどれだけキレイにゲームエンドまで持っていくかが一つのポイントです。シャットダウンゴールドがあるため、一つのソロキルから試合展開が変化していくことも考えられます。ましては相手はFryです。ここは真っ先に修正するポイントになるでしょう。

一方で、一つのオブジェクトに対しての連動性や修正力の高さなど、ポジティブな面も見る事ができました。C9のマクロの高さはLCS内でも高く、このノウハウによって上位につけていることは間違いありません。しかしこのマクロをフルで発揮できるのは大きな不利を背負っていない時です。現状のC9では上位相手にこのマクロが発揮される前に試合が終わる可能性が高いです。まだ1戦目ですが、今日の試合内容はあまりいいものだったとは言えないでしょう。

 

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