C9ファンボの記録

C9ファンボ記録

LCSにて日曜日と月曜日に行なわれているC9の試合のreviewを書いています。

LCS Cloud9 vs 100Theives

Cloud9 vs 100Theives

LCS第7週2日目に行われた試合です。

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 両チームのBAN/PICK

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C9はレーンの強いルブラン、ルシアン、そして今話題のADニーコを警戒しバンしていきます。

それに対して100Tはジェイス、ゾーイに加え、C9が好んで使うキンドレットをバンします。

C9は1stpickにシンドラを選択します。エズリアルという選択もありましたが、MIDでダメージがでるチャンピオンを多数バンされていることから早めにダメージチャンピオンを確保します。

それに対し100Tはアリスターリサンドラというエンゲージがとても強力なチャンピオンを選択。MIDは耐える選択です。この2つのピックとキンドレットをバンしたことから100Tはオールイン構成を狙っていることがわかります。

C9はラストピックにTOPとJGでフレックスが可能なエイトロックス、強力なチャンピオンであるガリをバンされる前にとります。

100TのラストピックはJ4でした。このJ4の選択で100Tは完全にバックラインを狙ったオールイン構成であることがわかります。

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C9は2ndバンにSsmdayのスプリットを警戒しジャックス、フィオラをバンします。

それに対し100Tはガリとの相性がいいノクターン、オールインに対してブリンクができ、ULTでディスエンゲージが可能なトリスターナをバンします。

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100Tは1stpickにBangの得意チャンピオンであり空いているエズリアルを取ります。

それに対しC9はオールイン構成に対しブリンクで対抗できるコーキセジュアニを選択。シンドラが見えているためコーキはADC、セジュアニは構成に足りないエンゲージ要素を補う形です。

100Tはラストピックにバックラインに飛び込んでいける非常に強力なチャンピオンであるブラットミアを選択します。

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C9は序盤はシンドラ、エイトロックスの強さを生かしTOPサイドからプレッシャーを作っていき、後半にはコーキのパワースパイクで足りないダメージを補える構成です。

それに対し100Tはブラットミア、J4、リサンドラ、アリスターと完全なオールイン構成です。

C9はTOP,MIDと序盤からレーンの主導権を握ることができるマッチアップのため、この強みを活かし、戦闘を起こしていきアドバンテージを作っていけるのが理想です。また、100Tのエンゲージに対しガリオのULTでカウンターをとることも可能なので、集団戦では受けきることができれば、反転して一気にC9が有利になるでしょう。

100Tは131が可能で集団戦がメインとなる構成です。しかし序盤はチャンピオン性能からダメージが足りないため、戦うのはあまり好ましくないと言えます。レーン戦はファームを優先的に行い、131ができるフェイズになったらエンゲージの豊富さを有効活用し、積極的に仕掛けていきたいです。また、ブラットミア、エズリアルがいることと、CCの多さからレイトゲームでも非常に強力になっています。

試合展開

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ファーストブラッドは12分に起こります。TOPサイドのレーン有利を生かしC9がリフトヘラルドを触ります。それに気づいた100Tと2 vs 2の少数戦が起こりますが、チャンピオン性能の差を生かしC9がキルを獲得します。

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C9はその後もう一度同じことを行い1キルを獲得します。そのままリフトヘラルドも獲得しようとしますが、時間がかかりすぎていたため、エズリアルがTOPに到着。低い体力のままリフトヘラルドを行っていたC9は3キルとられてしまいます。

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21分にエズリアルが前ブリンクしたところを狙いC9が2キルを獲得します。セジュアニ、ガリが見えていたにも関わらず前ブリンクでハラスしにいってしまうというBangの珍しいミスでした。

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試合の後、LCSのアナリストディスクでこのシーンについての考察が行われています。このシーン、アリスターエズリアルを助けるため、セジュアニ、ガリのいる方にCCをかけにいっていますが、アナリストディスクではこれがもしガリオ、セジュアニの方ではなくシンドラを飛ばしていたら3 vs 2の状況が起こり、ダメージの差で100T側が勝ったのではないかという分析が行われていました。

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24分に集団戦が起こりC9がエースを獲得します。

このシーン、コーキのパッケージの音が聞こえていたにも関わらずJ4が強引にコントロールワードを破壊しにいったため集団戦が起こりました。100Tが中々勝てない要因はこういった所にありそうです。

f:id:je_fy:20190311083552p:plainこの集団戦の後25分にC9はバロンを獲得します。

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このバロンを利用しC9はインヒビターを2つ獲得。そのままネクサスを割り勝利します。

これでC9は通算11勝3敗となり、レイオフ進出を確定させています。

総評

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この試合C9はTOP,MIDの有利を活かしリフトヘラルドから少数戦を起こしました。3キル取られてしまうシーンはあったもののTL戦でできなかった構成の意図をくみ取ることができたと思います。しかし100Tもミスが多くそのミスを突いて勝ったという印象です。もちろん仮にミスが起こらなくてもC9が優勢だったことには変わりはないので勝利という結果は変わりませんでいたが、C9にしては珍しくあまり動きのない試合だったように感じます。

今回BOTコーキをC9は見せました。これでコーキもMIDとのフレックスが可能になったためC9の戦略が一つ増えたと思います。

この試合に勝利したことによりC9はプレイオフ進出を決めましたが、LCSは上位であれば上位であるほどプレイオフでの試合数が少なくなるため、戦略を隠すという意味でもこのまま2位の維持を狙うのが理想です。ここからはプレイオフに向けてどれだけ準備できるか、また、結果的に完敗といえる内容だったTL戦に向けてどれだけ分析を行えるかがMSI進出に向けてのカギになります。昨日のTL戦の敗因は完全に力の差で負けたわけではなく、C9の試合の進め方に問題があったという方が正しいと思います。なぜ、理想通りに試合を進めることができなかったのか、外的要因というよりは内的要因の方にフォーカスを向け、修正する必要があるよう感じます。

LCS Cloud9 vs Team Liquid

Cloud9 VS Team Liquid

LCS第7週1日目に行われた試合です。

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両チームのBAN/PICK

 

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TLはカシオペア、キンドレット、ノクターンとC9に対してターゲットバンを集中して行います。

C9はADCの中でティアの高いエズリアル、ルシアン、そして現在評価の上がりつつあるタムケンチをバンします。

TLは1stpickにSUPとして評価の高いガリを選択します。

それに対しC9はザヤラカンを選択。ティアの高いADCをC9はバンしているためレーンで差がつきやすくなるのはサポートの性能差になります。ザヤラカンという相性の良いチャンピオンを選択することでBOTのマッチアップで有利を築こうとする狙いです。

TLは最後のpickにレイトゲームチャンピオンのカイサ、そして今強力なジェイスを選択します。

C9のラストピックはシンドラです。ガリリサンドラなどのユーティリティに特化したチャンピオンが立て続けにナーフされているため、相対的にダメージを出すMIDチャンピオンが増えつつあります。また、集団戦でのCCチェインも強力なため、評価の高いチャンピオンになっています。

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2ndバンにTLはレーンが強いヨリック、LCKのGRFが使っていたイブリンをバンします。

それに対しC9はMIDでとても評価の高いルブラン、ガリとの相性が良いJ4をバンします。

 

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C9は1stpickにTOP,JGで運用可能なエイトロックスを選択。

TLはセジュアニ、オリアナと集団戦に特化したチャンピオンを選択します。

最後にC9はジェイスに対して対抗できるポッピーを選択します。

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C9は序盤から積極的に仕掛けていける構成です。MID.BOTを押し込むことができる可能性が高いです。相手JGはセジュアニのため、序盤からプレッシャーをかけにいくことが理想になります。

それに対しTLはカイサ、オリアナ、ガリオ、セジュアニと後半、集団戦に重きをおいた構成になっています。ある程度ビルドがそろえば非常に強力な構成です。しかしセジュアニを選択しているため、序盤から試合を動かしていくのは難しく、レーンフェイズでは耐えることが必要になってくるでしょう。

C9は序盤に寄っているのに対しTLは後半に寄っているため、C9はどんどん仕掛けなければなりません。特にセジュアニというチャンピオンは序盤が弱いため、競技シーンでは評価の分かれるチャンピオンになっています。エイトロックスを選択している以上、レーンでの有利を補助するだけでなく、セジュアニを潰すことも求められています。どちらも集団戦は非常に強力ですが、C9はタイムリミットがあるため、エイトロックスには試合のペースを速め、相手を潰していくという複数のタスクが求められます。C9はできれば20分の段階でゴールド差で2Kがついているのが理想です。

つまり、C9は序盤からどれだけ有利をとれるか、TLは序盤は耐え、どれだけ後半の集団戦の準備ができるかという戦いになります。

試合展開

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2分にファーストブラッドが起こります。このゲームはMIDの主導権がとれると試合展開をコントロールしやすくなるため、lvl2でエイトロックスがMIDにガンクを仕掛けます。相手がセジュアニなのもあり、ここで有利をとれるととても大きいため、フラッシュインでタワーダイブまでしてキルをとりにいこうとしますが取り切れず逆にキルを与える形になってしまいました。これは完全な判断ミスといってもいいでしょう。

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15分にC9はリフトヘラルドを触ります。しかし結果的に1キルとリフトヘラルドをTLに渡してしまいます。C9はこのリフトヘラルドを取りたかったのか、それともこれをエサにして戦いたかったのか、正直意図がわからない行動でした。

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19分に集団戦が起こります。オリアナが孤立していたところをポッピーがキルを狙いますが、ストップウォッチからガリのULTのコンボで反転しれていしまい、1-4のトレードになってしまいます。このシーンはTL側が非常にうまかったといえるシーンでしたが、C9は序盤から有利を築いていかなければいけない構成上、この集団戦の敗北で構成のプランは崩れたといってもいいでしょう。

ここから0-1,1-2,1-0.0-1と立て続けにキルトレードが行われますが、試合のペースを速めなければいけないC9にとってはマイナスであり、苦しい展開になっていきます。

f:id:je_fy:20190310101631p:plain34分にエイトロックスの体力を削ったTLはバロンを行いますが、シンドラがスティールします。このバロンをとられていたら完全にゲームオーバーだっただけにこの活躍は非常に大きいですが、C9は現状このバロンを生かせることはできないため、残念ながら延命しただけという形です。

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そのあとすぐ36分にエルダードラゴンがアップしたためTLが今度はスティールされることなく獲得します。このエルダードラゴンでTLはインヒビターを2つ獲得します。

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エルダードラゴンが切れたタイミングでポッピーがTPから仕掛けます。シンドラが泉にいますが、インヒビターが二つとられ、さらにこのままリコールを許してしまうと装備差によって完全に勝ち目がなくなってしまうという状況のため、負けている中での4 vs 5という圧倒的不利の状況でもでワンチャンスにかけ仕掛ける以外なかったと思います。しかし、もともと負け戦の集団戦。なんとか1キルはとりますが、1-3トレードで終わり、そのままTLがネクサスを割り勝利しました。

これでC9は通算10勝3敗となり、リーグ戦で1位抜けするのは絶望的な状況になりました。

総評

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この試合C9は序盤から積極的に仕掛けることが必須でしたが、終わってみればリフトヘラルド、ドレイク、ドラゴンを全てとられてしまい、唯一とれたバロンでさえも意図したものではありませんでした。また、要所であいまいな動きが目立ちとても意思統一がとれているチームには見えませんでした。

15分段階でC9はMIDとBOTでタワープレートを合計6枚獲得しています。ここからみてもわかる通り、BOTサイドは序盤C9がコントロールを握っていました。にも関わらず、ドレイクは一つも獲得できていませんし、この有利を生かしてセジュアニにプレッシャーをかけにいくというシーンも一切見ることができませんでした。序盤この試合を動かすべきだったのはエイトロックスを使うSvenskerenの役割でしたが、構成の意図と試合の進め方に大きなズレが生じていたように感じます、TOPに一回ガンクを決めましたが、フォーカスするのはそこではなく、相手JGを潰すべきでした。エイトロックスは今回赤スマイトを選択しています。この選択はセジュアニに対し仕掛けていく意図があったはずです。にも関わらず、構成の通り有利を取れているBOTサイドを完全に制圧しにいくようなプレッシャーは見られませんでした。もちろん、有利を生かして視界をとるという行動は見られましたが、求められているのはそれを生かしてドレイクをとる、セジュアニに仕掛けていくというアグレッシブなプレイです。結果的にセジュアニはファームを続け、TLの狙いである後半のためのドレイク、試合時間の延長という相手の意図通りの試合になりました。この試合、Svenskerenは構成の意図、試合の進め方を把握していたのか、疑問が残る試合でした。

国際戦ではほとんどがさらに格上との試合になるため、TL相手にここまで何もできないとなるとC9は危機感を感じるべきでしょう。C9はLCSでは上位チームのため、TL相手に何かしらの成果を得るのは必須でした。課題が見つかったのはいいことですが、次にTLと戦うのはおそらく決勝になるでしょう。それまでに格上相手にプラン通りの試合を進めることができるようになるかが最重要になります。

LCS Cloud9 vs Team Solo Mid

Cloud9 VS Team Solo Mid

LCS第6週2日目に行われた試合です。

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両チームのBAN/PICK

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昨日はBlaberでしたが、現在好調のTSM相手にはSevenskerenで試合に臨みました。

C9はスレッシュ、イレリア、エズリアルをバン。ブルーサイドでC9は必ずバンしているのがエズリアルです。おそらく評価としてはとても強力なチャンピオンであるが、1stpickするほどではないという評価なのだと思います。

それに対しTSMはルシアン、ジェイス、サイラスとこのpatchで非常に強力なチャンピオンをバンしてきました。

C9は1stpickにバンからもれ、TOP,MID,BOTが可能なカシオペアを選択します。

それに対しTSMはヴァルスタムケンチを選択。エズリアル、ルシアンがバンされた中、ADCは比較的なんでも出てくるpatchになりました。

C9はガリキンドレットを選択します。ガリはSUPとして非常に評価が高くなっています。キンドレットはC9の中で評価が高いようでJ4ガリのコンビネーションよりも優先した面白いピックです。

最後にTSMは空いたゾーイをバンされるまえに選択し、ヴァルス、ゾーイのポーク構成をちらつかせます。

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2ndバンにC9はBBのファイターを警戒しリベンとジャックスをバンします。

TSMはバックラインにプレッシャーがかけられるオーンとMIDの安定したチャンピオンをつぶすためジリアンをバンします。

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TSMは1stpickにエンゲージもディスエンゲージも可能なグラガスを選択します。

それに対しC9はエイトロックスビクターを選択。SUPとJG以外の完全なフレックスを展開します。

最後のピックにTSMはニーコを選択。BBは今までメイジチャンピオンをライズ以外使ってこなかったたため完全なサプライズピックになりました。

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C9はレイトゲーム構成を選択しました。キンドレット、ビクター、カシオペアと、スケールするチャンピオンをそろえています。

それに対しTSMはゾーイ、ヴァルスと強力なポーク構成です。さらにTOPにニーコを選択したため、エイトロックスに対して有利をとることが可能です。

C9は131のカウンター構成になっています。しかしTSMの構成はポーク構成であり、ドラフトの構成ではTSMの方が有利だといっても良いでしょう。ポーク構成に対する一般的な構成はオールインのエンゲージ構成です。理由は、ポーク構成は基本的にバースト勝負になった際にダメージを出し切る前に倒されてしまうためです。しかし、C9の構成はカシオペア、ビクター、キンドレットとカイトが得意なチャンピオンがそろっています。集団戦が行えれば強力ですが、TSMは集団戦を行わなくても勝てる構成のため、C9は非常に難しいゲームメイクを迫られます。

時間がたてばたつほどC9は強くなっていくのですが、強力なエンゲージ手段がないためどのようにして集団戦を起こすかが勝敗を分けます。

試合展開

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ファーストブラッドは10分にTOPで起こります。ずっと押されていたTOPレーンでキンドレットがガンクを試みますが、キンドレットの印がTOPサイドにあり、それを警戒していたタムケンチがTOPサイドに寄っていたため、カウンターされ、逆にキルを取られてしまいます。

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20分にはドレイク前でファイトが起こり、C9がインファーナルドレイクを獲得します。これで2スタックのため、順調にレイトに向けて試合を運びます。

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しかしその後TSMはMIDタワーを折り、ポーク構成の強みを生かして一方的にキルをとっていきます。その中で29分にバロンも獲得。この時間帯はC9が耐えなければいけない時間でしたが、エンゲージのプレッシャーもないため、一方的な展開になっていきます。

このバロンでTSMはBOTのインヒビターを獲得します。

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37分にTSMはゴールド差を生かし二度目のバロンを獲得します。

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それに対しC9はカウンターでエルダードラゴンに走ります。エルダードラゴンはスティールされてしまうものの、この時時間はすでに37分、ビルドが整っていたこともあり、なんとか2キルを獲得します。

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40分にバロンとエルダーを持ったTSMが一気に試合を決めにきます。C9はここで何かしら行動をおこさないと負けてしまうという場面でエルダーが切れた瞬間キンドレットゾーイのブリンクに無理やりエンゲージしにいます。不意をつかれたTSMは何とか応戦しますが集団戦をおこしてしまえばこの時間強いのはC9、一気に4キル獲得します。

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この最後の最後の集団戦に勝ったC9は大逆転でネクサスを破壊し、TSMに勝利します。

これでC9は通算10勝2敗で2位を維持しています。

総評

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この試合C9構成から圧倒的に不利でした。序盤から試合を動かそうにも動かせるレーンもなく、ひたすら防戦一方でした。その結果バロンを2回、エルダードラゴンをとられ、ゴールド差でも7kと大きく開きました。

しかし、C9の強さであるレイトまで試合を伸ばし、この試合は41分という長さまで持ち込むことができました。耐えるというのも一つの強さです。なおかつ、エンゲージ要素がないなか、キンドレットが捨て身で仕掛け勝利をつかむことができました。

TSMは現在好調なチームなだけあってとても苦しい試合展開でしたが、C9は勝利をつかむことができました。来週はTL戦が控えています。優勝するためには倒さなければいけない相手のため、とても重要な試合になるでしょう

LCS Cloud9 VS Golden Guardians

Cloud9 VS Golden Guardians

LCS第6週1日目に行われた試合です。

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 両チームのBAN/PICK

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今回C9はSevenskerenではなくBlaberに替えてきました。

C9はリベン、スレッシュ、エズリアルをバンします。

それに対してGGSはルシアン、サイラス、カシオペアをバン。3体の内、2体がターゲットバンになっています。

1stピックにC9はアリスターを選択。早めにエンゲージ要素を確保します。

それに対しGGSはカリスタジェイスを選択。この時点である程度アーリーゲームに寄せていることがわかります。

C9は2ndピックにトリスターナレクサイを選択。トリスターナはこの試合の前のFOX vs TSMの試合でも使われており、LCSでは一定の評価を受けているようです。そしてレクサイはこのpatchでのソロキューOPチャンピオンであり、アグレッシブに動くBlaberのプレイスタイルとも合っています。

1stフェイズのラストピックにGGSはルブランを選択。序盤の強さをさらに強化していきます。

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 C9の2ndバンはラウムガリ。これはカリスタとの相性の良いチャンピオン達を消した形です。

GGSはリサンドラゾーイをバン。MIDのプールを狭めていきます。

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GGSはタムケンチを選択。GGSは131構成が可能であるためタムケンチを選択することによってプレッシャーをかけることができます。

それに対しC9はオーンオリアナを選択。オーンは変更によりどちらかというとSUPででてくることが多くなりましたが、今回はTOP運用になります。

GGSはアーリー構成のため、序盤から試合を動かせるエリスを選択します。

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C9は明らかなレイトゲーム構成です。トリスターナ、オリアナ、オーンとスケールチャンピオンがそろっています。

それに対しGGSはアーリーゲーム構成です。ジェイス、ルブラン、エリス、カリスタと序盤からプレッシャーをかけ、スノウボールしていきたい構成です。

C9としては主要チャンピオンのビルドがそろうまで極力戦いは避けたいです。そのため、序盤からコントロールされないためにレクサイを選択しています。しかし、TOP,MIDのマッチアップは圧倒的にGGSが有利のため、C9はどれだけBOTにプレッシャーをかけられるかによって試合の進み方が変わってきます。この試合はジャングルを縦に割った形で進むことが予想されます。オーンにとってはきつい試合になりますが、うまく倒されずに試合を運ぶことが重要になってきます。

試合展開

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ファーストブラッドは6分、C9がBOTで仕掛け、獲得します。この後キルこそは取られてしまうものの、C9はBOTから作ることが重要なため、悪くないと言えます。

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14分にGGSはTOPの有利を生かしリフトヘラルドを獲得します。これを使用しMIDの1stタワーを獲得します。

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17分にローテーションで先手を取ったC9が有利を築いていたBOTの1stタワーを破壊します。

この後、定石通りならTOPに互いの1stタワーが残っているため、TOPにスワップするか、GGSの131に付き合い、C9も131を行うかという2つの選択肢が存在します。しかし、C9はあえてスワップせず、再びSneakyがBOTに行き、TOPの1stタワーとBOTの2ndタワーの交換を行います。

このローテーションは完全にC9が上回ったといって良いでしょう。理由は三つあります。

一つ目は単純な「ローテーションで先行をとった」ことです。ドラフトからもわかる通り、GGSはレーン戦が終わった後、必ず131を行います。それがGGSの構成の強みだからです。つまり、レーン戦終了後がGGSの構成の強さが発揮されるということです。通常ならこれに対し下手な行動をとると相手に一気にスノウボールされてしまい。C9の構成の強みであるレイトに持っていくことができません。しかし、C9は相手の構成を逆手にとり、BOTで2vs1の状況を作りました。素早くこのローテーションを行ったことで相手の体制が整う前に相手のオブジェクトを奪うことができました。また、相手はこの時間に戦いたいのに対し、C9はなるべく避けなければなりません。このローテーションによって戦わずして試合を動かすことにC9は成功しています。

二つ目は「1stタワーと2ndタワーの価値の違い」です。これは単純ですが、2ndタワーをとった方が視界の有利を築きやすく相手に強いプレッシャーをかけることができます。オブジェクトの価値としてC9が上回りました。

三つ目に「チャンピオンの性能差」です。これが一番重要であり、ドラフトでも説明しましたが、C9はレイトゲーム構成、GGSはアーリーゲーム構成です。GGSは序盤からプレッシャーをつくり、ゴールド差をつけなければなりません。しかし今回のトレードだと互いにゴールドが入っています。C9はレイトに重きを寄せているため、差が広がらないだけでプラスですがこの段階で両者のゴールドにそこまで差がないため、GGSはゴールドの現状維持ではマイナスになっています。これはスケールするチャンピオンを持っているか持っていないかによって評価は変わりますが、今回GGSは大きくスケールするチャンピオンを持っていないためこのトレードは圧倒的に不利になっています。

そしてこのままローテーションの有利を握ったC9はMIDの1stタワーまで破壊します。

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31分、C9が十分に戦えるビルドになったところで集団戦を行い、2キルとバロンを獲得しMIDのインヒビターを破壊します。

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36分にはオブジェクト有利を生かしエルダードラゴンを獲得そのまま勢いで攻め、37分に試合を決めます。

これでC9は通算9勝2敗です。

総評

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今回C9はBOTでのみから試合を動かすことが要求されていましたが、ドレイクを四つとり、BOTでやるべきことをしっかりとやれたといって良いでしょう。ローテーションの場面ではMIDを先に破壊されたにも関わらず先行することができ、戦いたくない時間をうまく避けることができました。レーン戦後のローテーションは構成によってはとても重要でありBOTの有利からうまく試合を運べることができました。

C9はLCSの平均で一番試合を終わらすのが早いチームであるのにも関わらず今回はあえてレイトゲーム構成で挑みました。また、今回はBlaberを採用したこともあり、戦術の幅を増やそうとしていることがわかります。レイトゲーム構成での戦い方、試合のコントロールの仕方がしっかりできることをこの試合では見せました。国際戦ではLCSのようにBO1のみではなくBO5まであるので戦術の幅を広げることは非常に重要です。C9はしっかりと国際戦を見据えてLCSを戦っていることがこの試合から見て取れます。

LCS Cloud9 VS Counter Logic Gaming

Cloud9 VS Counter Logic Gaming

LCS第5週2日目に行われた試合です。

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両チームのBAN/PICK

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今回C9はCLGのDarshanが使うサイオンの勝率が100%であること、biofrostが好んでタムケンチを使うことからバンします。

それに対しCLGは前回Sneakyがカシオペアを使っていたため警戒してバン。

3つ目のバンを先にするのはC9側でしたがここでSneakyの得意チャンピオンであるエズリアルを自らバンします。ここでエズリアルをバンした理由は、確定でアーゴットルシアンのどちらかをとることができるからです。

今回CLGはルシアンをバンしたためアーゴットをC9は取りましたが、もしCLGがこの2体以外のチャンピオンをバンし、C9がルシアン、CLGがアーゴットをとったとしてもLicoriceがサイラスを使えるため問題ありません。1stバンの段階では一歩C9がリードをとったと言えます。

CLGはガリオ、ヨリックを選択します。ガリはC9が好んで使うチャンピオンをでありとりあげという形、アリスターをとってもよかったのではとも思いましたが、早めにヨリックを選択します。

それに対しC9はシヴィアアリスターを選択。バランスの良い2チャンピオンをとります。

最後のピックにCLGは残ったADCの中でもティアの高いカイサを選択します。

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2ndバンにC9はPOEに対してターゲットバンを使います。

CLGは序盤から試合を動かされないためオラフルブランをバンします。

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CLGは1stピックにJ4を選択します。ガリをすでに選択しているため、非常にシナジーがあります。

それに対しC9はセジュアニサイラスを選択。MID,TOP共にメレーチャンピオンのため、セジュアニのEが発動しやすくこちらもシナジーがあります。

最後にCLGはPOEの得意チャンピオンであるオリアナを選択します。J4のULTからオリアナのULT、そしてガリオ、カイサがそこに飛び込んでいけるという全体的にバランスのとれた構成になりました。

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CLGとしては非常に強力な構成になりました。CCチェインさえ決まれば集団戦はほぼ負けることはないでしょう。

それに対しC9はセジュアニとレーンチャンピオンの相性が良いため、このシナジーをうまく利用することが必要です。

集団戦をした場合、CLGの方がシナジーが強く強力なチャンピオンがそろっています。しかし、シナジーを発揮できた場合の話です。一見C9の方が不利に見えますが、セジュアニ、アリスターがいるため、各個撃破しCLGが仕掛けるよりも先に仕掛けることができればC9が十分勝てる試合になっています。

また、CLGはカイサ、オリアナとパワースパイクが比較的遅いため、早い段階からアクションを起こすことがC9に求められています。

試合展開

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ファーストブラッドは8分、BOTでC9が仕掛け、仕留めきれなかった所をカウンターされ、CLGが獲得します。

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12分にドラゴン前で戦いが起こりC9が2キル獲得します。シヴィアJ4のULTの範囲外にうまく逃げ、ダメージを出し切りました。

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14分にC9がリフトヘラルドを獲得。先に触っていたのはCLGでTPまで使ったのですが、C9がうまくばらけていたこともあり、CLGはリフトヘラルドを渡す形になりました。このリフトヘラルドを使い、C9はMIDのタワーを2本折り、一気にTOPの視界を掌握します。

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23分にJ4の体力を半分以下まで削ると速攻でバロンに向かいます。TOPの視界は完全にC9が掌握していたため、CLGは近づくことができずC9がバロンを獲得します。

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そのバロンを利用し2インヒビターを獲得。そのままゲームエンドまでもっていきC9が勝利しました。

これでC9は通算8勝2敗です。

総評

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今回相手はCLGという事でリベンジマッチでしたが、27分という速さでC9が勝利しました。この27分という時間はどれくらいかというとLCSの平均試合時間は36分、LJLは34分であり、かなりスムーズに試合を終わらせることができたといえるでしょう。

C9の平均試合時間は33分53秒でLCSで一番早く試合を終わらせています。2位はTLで34分50秒で一分近く差をつけています。この一分という長さは見た目よりもかなり差がついている数字です。C9というチームがどれだけスノウボールがキレイにできているかがデータからもわかります。

この試合でもそれが見られました。23分のバロンのシーンでは何の躊躇もなくバロンに向かっています。このシーンだけでもどれだけ意志の統一が行われているかがわかります。このような判断の速さが競技シーンでの強さに繋がります。来週はTLに勝ち今最も波に乗っているTSM戦があるため、このような試合運びができるかが注目です。

LCS Spring Sprit 2019 Cloud9 VS FlyQuest

Cloud9 VS FlyQuest

LCS第5週の1日目に行われた試合です。

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両チームのBAN/PICK

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この試合、C9は今まで相手にバンされていたゾーイ、エズリアルを自らバンしていきます。

相手がバンしてくれる可能性が高いにも関わらず自らバンを割くという選択の利点は、相手がOPチャンピオンをバンしなければならなくなるという点があります。C9はブルーサイドの1stピック権を持っているため、これにより、プレッシャーを与えることができます。

実際にFlyはアーゴットルシアンをバンしており、効果が表れています。

1stピックにC9はカシオペアを選択します。カシオペアはナーフを受けたものの、フレックスが可能なのでいまだに強力チャンピオンをになっています。

それに対しFlyはアリスターヤスオをピック。一応フレックスの可能性はありますが、セットでピックしていること、ブラインドでピックしていることからもBOTでの運用の可能性が高いです。

それに対し2ndピックにC9はガリサイラスを選択します。この段階ではどこのレーンに誰が行くのかまったくわからないため、非常にうまいドラフトになっています。

Flyはラストピックにセジュアニを選択します。これでFlyはヤスオを中心としたドラフトを組んでいることがわかります。

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C9は2ndバンにリベンジェイスをバン。V1perはファイターを得意としており、先日リベンで高パフォーマンスを出していたためTOP中心のバンとなっています。

Flyはセジュアニを見せているため、低レベルからプレッシャーをかけられるオラフ、そしてC9に強力なエンゲージ要素がないため、ザックをバンします。

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2ndピックフェイズの最初のピックにFlyはイレリアを選択。このチャンピオンもまたフレックスです。

それに対しC9はキンドレットエイトロックスを選択。セジュアニが見えているため、積極的に相手ジャングルに入る選択をします。また、この段階でも完全に決まっているロールはジャングルのみです。(サポートサイラスの可能性もあるため)

最後のピックにFlyはルブランを選択します。これはレーンでプレッシャーをかけることにより、C9の構成の狙いを阻害する役割を任されています。

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構成はC9は完全な少数戦狙い、Flyはヤスオを中心とした集団戦、少数戦狙いです。

C9はエイトロックス、サイラス、キンドレットとTOPサイドに序盤から強いチャンピオンがいるのでそこから相手ジャングルに入りプレッシャーをかけてくのが狙いになってきます。しかし、C9は強力なエンゲージ要素を持っていないため、レーン戦後はうまくオブジェクトをエサにしながら集団戦を起こす、または相手に仕掛けさせる必要があります。Flyはオールイン構成のため、キンドレットのULTをうまく使い、相手にスキルを使わせることができれば、C9サイドに十分に勝ちがあります。

それに対しFlyはいかにヤスオを育てられるかになっています。イレリアというファイターもいますが、ドラフト順からも見てわかる通り、ヤスオは用意されたピックです。FlyはBOTを中心に試合を進めてくるでしょう。注意なのはC9はカシオペア、キンドレット、ガリを使ったゾーンコントロールが可能なため、アリスター、ヤスオ、セジュアニでうまくCCチェインを決め、相手にスキルを使わせる前に倒すことが必要になってきます。

試合展開

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4分にファーストブラッドが起こります。序盤にガリが2vs2でフラッシュを落としたところを狙い、セジュアニがガンクを決めます。

FlyはBOT中心に動かすことが狙いになるため、まずはFlyが大きな有利を手にしました。

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11分にドラゴン前で集団戦が起こります。アリスターのノックアップが決まり、そこからヤスオのULTを決められてしまい、1-3の交換になります。

C9は序盤から有利を築きたかったのですが11分段階のこの集団戦で負けてしまいます。

逆にFlyは序盤から有利を広げることができ順調に試合を進めることができています。

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13分にC9が2キルとヘラルドを獲得します。

C9はエンゲージ要素がないためオブジェクトを利用することが必要だと言いましたが、C9はヘラルドに対しプレッシャーをかけ続け、相手がしびれを切らし飛び込んできたところをかわしキルを獲得します。

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21分にC9はバロンをエサに集団戦を起こし、4-3のキル交換とバロンを獲得します。

ここでもバロンというオブジェクトを利用し集団戦を起こします。しかし、この時間帯のバロンは弱いため、タワーを2本とるまでに限ります。

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30分にまたしてもバロン前で集団戦が起こります。

これもバロンをエサにして起こりました。バロンはとられてしまうものの、C9は4キルを獲得します。

バロンバフは得られなかったものの、このキルによりC9は2インヒビターを獲得します。

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そのまま2インヒビターをとった有利を生かし、C9が勝利します。

序盤集団戦に負けてしまったこともあり苦しい展開になるかなと思われましたが、うまくオブジェクトを利用し勝ち切ることに成功しました。

これでC9通算7勝2敗です。

総評

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この試合C9は新たな戦術を見せました。一つ目はエンゲージ要素がないチームの戦い方。二つ目はBOTカシオペアです。

一つ目のエンゲージ要素がない構成での戦い方は非常に難しいです。最も大きな理由は先手を取り続けないと何もできないからです。しかし、先手を取るために必要なエンゲージ要素がないため、この先手をとるという行為がオブジェクトに限定されてしまいます。オブジェクトをエサにするというやり方は非常にリスクが高く、高度なコミュニケーションが要求されます。しかし、今回のC9は序盤負けてしまったにも関わらず、アグレッシブにリスクをかけてオブジェクトに先にアプローチし続けました。この行為がどれだけ難しいことなのか競技シーンを見ている人ならばわかると思います。それでもC9はチャレンジし続け不利を有利に変えることができました。このプレイスタイルこそがC9の強さであり現状2位につけている理由です。

二つ目はBOTカシオペアという新たなピックです。今回、C9は1stピックに選択したことからも明らかにこれをやりたがりました。つまりC9はBOTでもメイジが使えるんだというところを見せたがっていたということです。C9は他のチームに比べ圧倒的にフレックスチャンピオンを好むという傾向があります。今回この中にカシオペアが追加されたことによって次回以降さらにドラフトの組み合わせが広がり、また、ドラフト上で有利をつけやすくなります。BO1でのドラフトの有利はとても大きなものなので今回のカシオペアは非常に意義があったピックでした。

今回の試合、一見するとNAみたいな試合だという感想を持つ人もいるかもしれませんが、試合内容をよく見てみるとC9のマクロの高さが光った試合でした。あの構成で勝つにはこの戦い方が最適解だったといえるでしょう。重要なのはC9の選手がこの構成の強み、弱みを把握していたことです。この試合の集団戦はすべてオブジェクト前で起こりました。これは明らかに狙っていたということです。今までの試合のreviewでも書きましたが、C9はこの構成では何をすべきなのかということを完全に理解している印象を受けます。最初の方こそコミュニケーションエラーがありましたが、今のC9は去年のC9を超えているといってもいいと思います。それくらい強いです。

LCS Cloud9 VS Echo Fox

Cloud9 vs Echo Fox

LCS 第4週の1日目に行われた試合です。

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両チームのBAN/PICK

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このpatchではポーク構成が一定の評価を受けています。そのため、TOP,MID,BOTのフレックスが可能なジェイスの評価が上がっており、C9はそれを警戒してバンします。

FoxはC9の得意チャンピオンであるノクターン、エズリアルをバンします。ちなみにC9はエズリアルを使った試合以外は勝てていません。

C9は1stピックにいまだに評価の高いアーゴットを選択します。

それに対しFoxはアーゴットの対応としてサイオン、さらにこの段階でヴァルスを見せます。先ほども言った通り、ポーク構成は評価が徐々に高くなってきているため、今後ヴァルスはピックされることが多くなる可能性があるでしょう。

2ndピックにC9はシヴィアアリスターを選択。Foxはモルガナを選択します。この段階でFoxはある程度Botに比重を置いていることがわかります。

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2ndバンフェイズでC9はレーン、少数戦で強いルブラン、そしてクリティカルの変更によりでてきたヤスオをバンします。

FoxはNisqyのゾーイ警戒と最近評価の上がってきたジャーバン4をバンします。

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この段階で残っているのは互いにJGとMIDになります。当然Foxは後出しでMIDを出したいため、Rushの得意チャンピオンのリーシンをピック。

それに対してC9はエンゲージ、ディスエンゲージの両方を担えるグラガスをピック。リーシンのQに対してEで合わせることもできるため、リーシンに対してある程度戦うことができます。

そしてMIDにシンドラを選択します。シンドラはレーン戦集団戦と、非常に強力なチャンピオンですが、フィズなどのアサシンに弱いという弱点があります。しかし、現在はタワープレートが存在するため、レーンである程度のプッシュ力を持っていないチャンピオンはよほどの自信がないかぎり出しづらい傾向にあります。さらにガリオ、リサンドラがナーフされたため、選択肢として出てきました。また、対象指定であるULTによってアーゴットのULTが発動しやすく、相性の良いピックです。

最後のピックにFoxはリサンドラを選択します。ナーフによりレーンコントロール力は落ちたものの、アフターショックによる硬さ、強力なULTを持ち合わせているため、安定性のあるピックになっています。

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構成としてはC9はシンドラ、シヴィアをダメージ源としてアグレッシブに戦っていく構成です。

それに対しFoxはヴァルスが主なダメージ源を担っています。そのため、レーンから勝ちに行くためにサポートにモルガナを組み合わせました。FoxとしてはBOTが勝つことが条件となり、積極的にタワープレートを破壊しにいかなくてはなりません。

また、レベル6以降のリサンドラのULTからのリーシンのバーストは非常に強力なため、MID周辺でC9はキャッチされないことが必要になってきます。

試合展開

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5分にC9がBOTでファーストブラッドを獲得します。本来、ブラックシールドがあるため、アリスターは仕掛けるチャンスが少ないのですが、シールドを使ったタイミングで仕掛け、キルを獲得します。FoxはBOTレーンで必ず有利をとらなくてはいけないためこのキルによってC9は非常に有利になりました。

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8分にC9がBOTでもう一度キルを獲得します。ADCはキルがとられていないものの、レーン段階からプレッシャーをつくっていくというFox側の意図は崩れたといっていいでしょう。

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15分にはC9が1キルとヘラルドを獲得します。このヘラルドを使い、C9はファーストタワーを獲得し、有利を伸ばしていきます。

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29分、インファーナルドレイクをめぐる攻防でアリスターが見事なフラッシュイン打ち上げを決めC9が3キル獲得します。この時点でシヴィアが4キル獲得しており、対するヴァルスは0キル。ダメージがADCによっているFoxがここから勝つには工夫が必要になり、C9にとっては順調に試合を動かすことができています。

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MIDのインヒビタータワーを折りに行く際にC9はTOPサイドの視界を掌握し、33分にバロンを獲得します。シンドラアリスターは倒されてしまいますが、これはFoxにスティールされないために妨害していたため、必要な犠牲だったといえるでしょう。これにより安全にバロンを獲得することができました。

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このバロンを生かし集団戦を起こします。シヴィアが育っていたこともあり、クアドラキルを獲得。なぜかその後モルガナがトリプルキルを獲得しますが、無事、C9が勝利します。これでC9は通算5勝2敗です。

総評

この試合、C9は今まで使っていたエズリアル、ノクターン、ゾーイをバンされ、これまで勝ってきた構成とは若干ですが違いました。しかしその中でもレーン安定性は変わらず、むしろBOTでは有利を築き相手の狙いをつぶしました。非常にきれいな試合運びだったと思います。

バロンの変更があったこともあり、試合時間が伸びています。試合時間が伸びるという事はミスをする可能性があるということですが、今回も含めC9は安全に試合を進める事ができています。世界で戦うためにはいかにミスをしないかということが重要になってくるため、非常に良い傾向です。

この試合ではSUPであるZayzalが要所で起点となって試合を運びました。去年までのC9がTOP,MIDが非常に強力でBOTはレーンではセーフプレイで集団戦で仕事をするという戦い方でしたが、今のC9はどこからでも試合をつくれるほどの強さを持っています。あとはこれを世界相手に行えるようにするため、どこまでパフォーマンス力を上げられるかになるでしょう。