LCS Cloud9 vs Clutch Gaming
LCS Cloud9 vs Clutch Gaming
LCS第1週2日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
C9は1stbanにジェイス、ランブル、ライズとbanします。
それに対しCGはフレックスが可能なイレリアとエイトロックス、そしてユーミをbanしていきます。
CGの1stpickはサイラスです。これはC9からのとりあげという意味合いが強いでしょう。
対するC9はタリックとアカリを選択。ソナタリックのプレッシャーをかけます。
ソナタリックのプレッシャーに対してCGはザヤラカンを選択。このpickでCGはソナタリックのBOTを潰すという狙いがわかります。
最後にC9はソナを選択。これでBOTはザヤラカンvsソナタリックのマッチアップが完成しました。
C9は2ndbanにケネンとニーコをbanします。これは集団戦時にソナタリックのコンボが発動する前にCCチェインによって倒されてしまうことを警戒したbanになります。
対するCGはヘカリムとキンドレットをban。ヘカリムはタリックのultをつけてバックラインに飛び込んでくることを考えてのban、キンドレットはMSIでDFMが見せた相性の良さからです。
C9はレクサイを選択します。これはソナタリックの弱点である前半の弱さを補完するための選択です。
それに対しCGはリーシンとパイクを選択します。補足しておくとレクサイに対しリーシンは不利なマッチアップですが、だからといって絶対に出せないマッチアップではありません。不利と言われる理由は1vs1で勝てないためですが、そもそも1vs1でどうしても勝ちたいのならばオラフを選択すればいいだけです。しかし選択しない理由は1vs1以外の所で試合を動かしたいという意図があるためです。今回の場合、CGにはBOTを潰すという明確な目的があります。そのため機動力に優れたリーシンを選択しました。
C9は最後にカミールを選択します。これはパイクに勝ちにいくという強気な選択です。
C9の構成は見てわかるようにソナタリックを基盤とした131構成です。全体的に序盤あまり強いチャンピオンはそろっていませんが、レクサイを選択しているため、JGとうまくコミュニケーションをとり、ガンクを成功させスノーボールを成功させていきたいです。ソナタリックは序盤押し込まれてしまう可能性が高いため、レクサイはTOP中心に動き、パイクの得意なロームをさせないようにTOPの主導権をとることが大事になってきます。
それに対しCGはBOTに強力なザヤラカンを置き、TOPにはロームが得意なパイクを選択しました。これによりCGは2通りの試合の進め方が可能です。1つめは予定通りBOTに圧力をかけ、ソナタリックを潰すやり方。もう一つはTOPを狙いパイクのロームを手助けする選択です。しかし、C9はBOTを放っておく可能性が高い以上、TOP中心に作った場合レクサイと衝突する可能性が高いです。リスクを考えるならばBOTを潰すやり方が無難といえます。
試合展開
試合が始まるとすぐにCGは固まってC9サイドのレッドバフにワードを置きます。その後、今度はブルーバフに侵入し、ウルフの横にワードを置いた後、C9のブルーバフから始めます。これにより、低レベルのガンクが強いレクサイのルートを把握できるうえにジャングルを縦に割ることができ、ソナタリックに対しプレッシャーをかけることができます。このワーディングの動きはソナタリックに限らず流行りつつある動きです。理由はスカトルの出現時間が変更されたため相手JGの位置を把握しづらくなったことが原因です。とくにレクサイなど序盤から動かしてくるJGは早急に位置、ルートを特定しないとリスクがとても高いです。そのため最初に相手陣内にワードを置くことにより相手の位置を特定したいという狙いがあります。
しかし、実際にはジャングルを縦に割ることができませんでした。レクサイはTOPをフルクリアしてlvl3になった後、CGのブルーバフを奪いに行くのではなくBOTに降りていき、リーシンに無理やり体を当てに行きます。予想外の展開はまだ続きます。リーシンがTOPサイドのジャングルに向かおうとしたところなぜかカミールが下山してきます。この下山にサイラスも巻き込まれCGのレッドバフ周辺で4分にも関わらず集団戦が起こります。何とかファーストブラッドはCGがとったものの、アカリとカミールに1キルづつ入ってしまいます。
しかしCGは当初の予定通りBOTの有利を生かしつつドレイクを獲得し、9分台でBOTの1stタワーも獲得します。その後スワップしリフトヘラルドまで獲得、序盤の有利を広げにかかります。
この試合のターニングポイントは11分に起こります。ここから有利を広げなくてはならないCGでしたがワードを置きに行ったラカンをカミールとレクサイが狙いそこから集団戦が起こります。結果としてC9が3キル獲得。このキルによってC9の131の1の部分が育ってしまいます。
CGは何とかこの状況を打破するためにMIDにタワーダイブを行いタリックを倒します。しかしCGはタンクがいないため育ったアサシン、ファイターたちに倒されていきます。何とか試合を動かそうとしたもののここまで育ってしまうとどうしようもありません。
CGはスプリットでは勝てないため仕方なくgroupしますが、集団戦こそC9の得意な構成です。タワーなど関係なしに次々と倒していきバロンも獲得します。
獲得したバロンを生かしC9が試合時間29分で勝利します。
これでC9はsummer1週目を2連勝で終えます。
総評
今回C9はMSIでは活躍できなかったソナタリックという戦術を起用しました。この起用理由として考えられるのは長いリーグを見通したときにわざと手札を見せることによって相手にソナタリックの可能性を考えさせるためだと思います。しかし今後は見る機会があるかはわかりません。まず今回の対戦合相手であるCGは春でも下位チームでした。にも関わらず序盤のソナタリックに対しての動き方を把握していました。元々力の差があるCG相手にこそ成功しましたが、他のチームに対してやるには少々リスクがあります。ですので今回のはあくまでアピール目的だと考えた方がいいでしょう。
また、このソナタリックは特殊な構成のため、C9の本来の実力はまだわかりません。1日目を見る限りだとあまり春から変化したようには感じることができませんでした。そのため、来週以降がC9の変化を見る機会になるでしょう。しかしこの二日間で特徴的だったのはLicoriceのロームです。これは明らかなC9の変化だと言えるでしょう。この2日間はこのロームからチャンスメイクしており勝利につながっています。
今日の試合、なぜかTLは負けたものの、このままいけば夏の優勝もTLでしょう。C9は優勝するためにも他の4人もポジティブな変化を見せる必要があります。
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LCS Cloud9 vs Fry Quest
Cloud9 vs Fry Quest
LCS第1週1日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
C9はspringとメンバーの変更なしで臨みます。変わったところといえばコーチに元CLGのReignoverが入った事です。これでC9は3人の韓国人コーチが所属していることになります。
C9はドレイブン、ラカン、レクサイと序盤から試合を作れるチャンピオンをバンしていきます。
それに対しFryはジェイス、ソナ、そして新しいチャンピオンであるユーミをbanしていきます。
c9は1stpickにガリオを選択。この時点でC9はspringとあまり変わらない構成で戦っていくことがわかります。
それに対しFryはイレリアとライズを選択。この2チャンピオンはフレックスが可能です。
対してC9はエイトロックスとサイラスをピック。こちらもフレックスですが、メタがあまり変わらないせいかC9はここまでspringとまったく変わりません。
映像トラブルで2ndbanは映っていませんが、C9はエズリアルとセジュアニ。Fryはカイサとシヴィアをbanしています。
Fryはここでザヤを選択します。ラカンがbanされているにも関わらずここでザヤをpickした理由は、C9がガリオ、エイトロックスを選択していること、springから考えるとここからオールインの構成を狙っている可能性が高いという考えからです。
C9はヘカリムとヴァルスを選択します。ヘカリムはガリオととても相性が良いですし、ヴァルスを選択することによって不確定なエンゲージ要素を補うことが可能です。
最後にFryはバフされたViを選択します。少数戦に強いほか、FryはTOPから作っていくことが得意なチームであるためTOPのスノーボールの手助けをするための選択です。
C9は集団戦を意識した構成になりました。ヘカリムにガリオ、エイトロックスがバックラインを荒らすことで相手がDPSを出し切る前に倒すことが理想になります。また、サイラスがViのULTを奪い、使うことでもう一つエンゲージ要素を増やすことが可能です。Fryの特徴上、TOPサイドから試合を動かしていくことが考えられます。そのため、Licoriseはまずこのマッチアップで有利を作ることが理想です。そこから相手のジャングルに入り相手の狙いを潰す動きができれば試合展開が一気に進むでしょう。そのためにはMIDの連動も必要になってくるため、NisqyもMIDで勝つことが要求されます。最近のメタ上、MIDの有利は試合の勝敗に直結する可能性があります。相手はPobelterと考えるとWCSを勝つためには絶対に有利を作らなければならないでしょう。
対するFryはザヤの選択からみてわかるようにBOTはアグレッシブな選択を行いませんでした。つまりBOTはファームし、TOPサイドから試合を動かしていきたい意図が感じられます。Fryの構成としてTOPの2vs2はFryが勝つ可能性が高いです。そこからスノーボールを成功させると一気に勝利に近づきます。しかし、気を付けなければならないのはライズが涙を積んだタイミングです。チャンピオンの特性上このアイテムは必要不可欠ですが、このタイミングはMIDが勝つことが難しいタイミングです。このタイミングに試合を動かされないようにしっかりとコミュニケーションをとる必要があります。
試合展開
ファーストブラッドは5分にTOPサイドで起こります。ヘカリムがTOPにガンクしようとしているため、エイトロックスはわざと戦いに行きますがダメージ計算をミスしたため、倒されてしまいます。タワーダイブだったため相打ちになりましたがあまり良いとは言えません。その後もエイトロックスはソロキルされてしまいます。
9分にC9はジャングル内でViを捕まえます。エイトロックスが2回もソロキルされているにも関わらず相手より早くプッシュを行い相手の森に入っていくシーンが目立っていましたがそこからキャッチに成功します。MIDもこのタイミングはライズが涙を積んでいるのに対し、サイラスはリボルバーが完成しているため、先に動くことができます。これはLicoriceがとてもうまくやったシーンですが、FryにとってはTOPから動かしていくことが理想だったために苦しい展開になっていきます。
15分にC9はヘラルドを生かしMIDの1stタワーを獲得します。この何気ないシーンですがこの画像を見てもらうとわかる通り、C9は5人MIDにいます。一見簡単に見えますがこのシーンからC9はサイドレーンをコントロールしており、先に動ける状況であること、一つのオブジェクトに対してチーム全員がどのようにコミュニケーションを行い、動くべきか、連動すべきかを把握していることがわかります。こういったマクロの動きがC9の強みであり、Spring2位につけた要因の一つです。
24分にドラゴンをめぐり集団戦が起こります。この一つ前にもドラゴンをめぐって集団戦が起こっていましたが、その時はC9が真正面から戦いにいったためブラウムのULTに止められてしまい、0-2トレードで勝つことができませんでした。しかし今回はエイトロックスが横から入ることで相手の陣形を乱し、得意の集団戦構成でエースをとることができました。
ドラゴンをとったあとC9はバロンも獲得します。このバロンを生かし、C9はBOTとMIDのインヒビターを獲得します。
その後の32分にバロン周辺の視界争いから集団戦が起こります。しかし、この集団戦、C9はライズ、ザヤというキャリーに対し全くプレッシャーをかけに行くことができませんでした。その結果2-3トレードとC9にとってはおいしくない交換になりました。そもそもスーパーミニオンがわいている状態で戦う必要があったのかが疑問です。仮に集団戦が強い構成のため戦いたかったという判断だったとしても、もう少しまてば誰かがミニオンの処理に向かわなければならない状況が起こるため、必然的に5vs4を行うことができます。相手にオブジェクトは取られなかったもののこの判断は結果としてミスとなってしまいました。
その後2分後にもう一度C9は集団戦を仕掛けます。この集団戦は見事でした。2分前の集団戦とは違い、サイラスはライズにヘカリムとガリオはコンボを生かしてザヤに張り付きプレッシャーをかけにいきます。その結果4-2トレードで集団戦に勝利します。
24分のドラゴンのシーンもそうでしたが、この試合、C9は一度行ったミスに対しての修正力がとても高かったです。これはなぜ集団戦に負けたのか、どうしたら勝てるのかという要因を把握している証拠であり全員が考えてコミュニケーションを行っているという証拠です。
試合の完全な内容をコーチが予想するのには限界があります。そのため試合中は選手が自ら考え、決断していく力が必要になってきます。選手のプレイヤースキルのほかにこの力は非常に重要であり、少なくともC9はこの試合でその力があることを見せました。
この集団戦に勝ったC9はこのままネクサスを破壊し35分という試合時間で勝利します。
これでC9はsummer開幕戦を勝利で飾ります。
総評
今回C9はメタの影響もあってかspringとあまり変わらない構成で戦いました。しかし内容は大きく違いました。今までのC9はジャングラーが積極的に動いていきテンポを作る、それを機会にスノーボールしていく印象が強いチームでした。しかし今回はそういった序盤からのアグレッシブさは見られませんでした。これはチームの方針かわかりませんがこの影響によって35分という少しC9にしてはゆったりとしたゲーム展開になったことは間違いないでしょう。また、BOTレーンが大きくCS差をつけ、有利をとっていたにも関わらずBOTにプレッシャーをかけることがありませんでした。もちろんFryの狙いを潰すためにTop中心に試合を進めに行ったという事情はわかりますが、それにしてはジャングルの圧力も少なく、集団戦までヘカリムが活躍するといったことはありませんでした。今回のC9はspringにあったアグレッシブさが無くなってしまった印象があります。MSIを見てわかるように、今のメタは序盤の有利がとても重要です。ここにきて序盤のアグレッシブさを控えたのは意図的なのか慎重になってしまったのか、気になる部分です。
もう一つ気になる点として、この試合、TOPは2回、MIDは一回ソロキルされています。これは非常にまずいといえるでしょう。今のメタは有利をどれだけキレイにゲームエンドまで持っていくかが一つのポイントです。シャットダウンゴールドがあるため、一つのソロキルから試合展開が変化していくことも考えられます。ましては相手はFryです。ここは真っ先に修正するポイントになるでしょう。
一方で、一つのオブジェクトに対しての連動性や修正力の高さなど、ポジティブな面も見る事ができました。C9のマクロの高さはLCS内でも高く、このノウハウによって上位につけていることは間違いありません。しかしこのマクロをフルで発揮できるのは大きな不利を背負っていない時です。現状のC9では上位相手にこのマクロが発揮される前に試合が終わる可能性が高いです。まだ1戦目ですが、今日の試合内容はあまりいいものだったとは言えないでしょう。
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LJL Spring 2019を振り返る
こんにちは、C9はセミファイナルから出場のため一週間試合がありません。せっかくなので自国リーグであるLJLのチームごとの総括を書こうかなと思います。
LJL Spring Sprit Week全日程を終えての順位
1位は大多数の人が予想していた通りにDFMになりました。20勝1敗という圧倒的強さです。ちなみに私はDFMが10-0優勝した時からファンボになりました。viviD選手が日本に来たシーズンですね。
このリーグで予想外だったのはCGA、SGの躍進とBCの停滞でしょう。CGAに関しては2018 Summer2位であるUSGを抜いての2位フィニッシュです。これを予想していた人は中々少ないのではないでしょうか。
それ以外のチームはおおよそ実力通りの順位に落ち着いたと思います。
それではチームごとの総評を見ていきましょう
- 8位 AXIZ
- 7位 Rascal Jester
- 6位 V3 Esports
- 5位 Burning Core
- 4位 Sengoku Gaming
- 3位 Unsold Stuff Gaming
- 2位 Crest Gaming Act
- 1位 DetonatioN Foucs Me
- 総評
8位 AXIZ
今季から参入したチームであるAXIZは100%日本産でした。戦績は3勝18敗、今季のLJLはレベルが今までの比ではないほど上がっているので3勝できただけでも万々歳だと思います。
チームとして練習期間が少なかった影響か、レーンを終えてからのチームの動きなどに統一性がなかった印象です。個人的にはチームとしての動きのレベルが上がれば最下位を脱出できる可能性を秘めているチームだと思います。夏に期待したいですが、全選手契約が夏には切れてしまうんですよね。このメンバーで戦う所も見たいですが、結果を求めるなら選手の入れ替えも視野に入ってくるでしょう。
個人的にiSeNN選手が好きなので夏もLJLで見たいです。
7位 Rascal Jester
Rascal JesterはLJL体制の変化により帰ってきたチームです。戦績は7勝14敗、途中からコーチが代わり、そこから勝ちを伸ばしていきました。MID,JGに韓国人を置きそこから中心に作っていくチームです。しかしMIDのHollis選手が抑えられてしまうと一気に勝ちが遠くなる一辺倒のチームでもありました。
SpringはAXIZが最下位という結果でしたが、AXIZは何かしらの強化を行う可能性が高いため、このままいくとSummerは最下位の可能性があります。RJが強化するべき所は明白であり、それは日本人の強化です。この日本人の強化の意味がメンバーの変更なのか、現メンバーの進化なのか、チーム在籍が長い選手もいますが勝つためには決断することも必要かもしれません。
6位 V3 Esports
V3 EsportsはTOPのPAZ選手、ADCのZerost選手、SUPのviviD選手、そしてコーチのHw4ngコーチなど元DFMの選手が多くいるチームです。戦績は8勝13敗、最初はチームとして固まっていない印象でしたが、試合を追うごとに強くなっていった印象です。Summerは順位が上がる可能性が高いでしょう。TOP中心に作っていくという非常にわかりやすいチームです。さらにSavage選手加入後、攻撃性が一気に増しました。
V3の今後のカギはMIDのACE選手です。JGの影響力がとても強いチームなのでMIDの主導権がとれると一気に強豪チームになるでしょう。MIDは韓国人が多いため、ハードルは高いですが楽しみなチームであることは間違いないでしょう。
5位 Burning Core
Burning Coreは前評判でDFMを除くと最も評価の高いチームだったと思います。戦績は9勝12敗、DFM戦ではあと一歩の所まで詰め寄るなど幸先の良いスタートを切りましたが、インフルエンザで選手がダウンしてから一気に不調に陥ります。何とか後半に勝ちを積み重ねるもプレイオフには届きませんでした。
思ったより低迷した理由として挙げられるのがプランの不透明さでしょう。ある程度どこから作っていくのかは決められているものの、具体的な試合の進行方法が定まっていない印象を受けました。個人の能力は非常に高いです。しかし明確な意図が見える行動を見ることはあまりありませんでした。すごい簡単に言うと丁寧すぎます。ひと昔前のLJLだったら優勝していたと思いますが、現在のLJLでは結果の通りです。チーム内でどのような会話が行われているかわかりませんが、LPLのような積極性が見れると一気に違うチームになるでしょう。
個人的には積極的なプレイスタイルになった時のOnce選手が見たいです。その時にOnce選手の本当のうまさが見れると思います。
4位 Sengoku Gaming
Sengoku Gamingは福岡を拠点にしているチームです。スポーツのファンをやっている人はわかると思いますが、地域に拠点を置くという事はステークホルダーを獲得するということであり、様々な利点があります。Sengoku Gamingの場合、SG,LANというゲーミングカフェを経営して利益を得るなど地域をうまく活用し、恩恵を受けています。この地域を大事にすることはチームの発展、ならびに人気向上のために必要な事であり、他のチームが見習うべき大切な点です。
さて、戦績は10勝11敗という大躍進でした。4位という順位を誰が予想したでしょうか。この躍進を支えたのはやはりOdduGi選手の活躍が大きいでしょう。また、上位3チームを倒すというジャイアントキリングも起こしています。全員がやるべき役割をきっちりこなした結果の順位であり、試合内容を見れば妥当と言えます。このチームに似合う言葉は「堅実」です。BAN/PICKから一番勝てる可能性のあるドラフトを行い、そのオーダー通りの試合を進める。コーチのゲームの理解度の高さが良くわかるチームです。Summerはこの堅実さのレベルをどこまで上げられるかに期待です。
3位 Unsold Stuff Gaming
Unsold Stuff Gamingといえば新たに加入したMIDのDasher選手でしょう。戦績は12勝9敗でした。昨年はBOTから作るチームでしたがDasher選手の加入により、Remind選手がいたころのプレイスタイルに戻りました。リーグ戦中、下位チーム相手に落としてしまったり連敗でリーグ戦を終えるなど不安要素が残る中でプレイオフに臨みます。Gango選手の代わりにKeymaker選手が入りましたが、Gango選手の後釜というプレッシャーの中良くやっていたと思います。チームのスタイルがMID中心に変わったので、レーン戦を行うのはいつも以上に難しかったはずです。
個人的に残念なのが今シーズンはEnty選手のロームがチームのプレイスタイルの影響もあり、あまり見られなかったことです。彼の強さはアグレッシブなチャンピオンで試合を動かしていく所でこれは想像以上の武器になると思います。いつかEnty選手中心の試合が見てみたいです。
まだプレイオフが残っていますが相手はMIDが強力なCGAであるため、カギはTussle選手になるでしょう。彼がどう動かしていくかが試合に大きな影響を及ぼすはずです。
2位 Crest Gaming Act
Crest Gaming Actと言えばhachamecha選手でしょう。
「JGが俺よりうまいならご自由にどうぞ」
さて、ふたを開けてみれば戦績は15勝6敗という強チームでした。リーグ戦で計22キルのソロキルキングLuna選手をはじめ、とても攻撃的なチームです。韓国人選手が上手というのは勿論、言い方は悪いですが一番の強みは穴という穴がいないことでしょう。どこからでもキャリーできるポテンシャルを持っています。唯一の懸念点はコミュニケーションです。ガンクのためのスキルセットだったり細かい所は英語ではなく日本語の方が良いのは明らかですし、この先を見据えるならばどれだけ細かい所を詰められるかになります。それだけ強いチームです。
個人的に評価が高いのはGrendel選手です。このメンバーの中で目立った不評点がないのがすごいと思います。また、インタビューでもいい人感が出ていました。サポートに向いてそうって思いました。
私のプレイオフのセミファイナル勝利チーム予想はCGAです。USGが調子を最後まで挙げることができなかったのもありますが、現状、スキの少ないチームだというのが大きいです。しかし、相手もUSGという強豪チームであり、結果は戦ってみないとわかりせん。また、セミファイナルはBO1ではないためいつも以上にコーチの差がでるでしょう。コーチは両チームともめちゃくちゃ頭がいいのでたのしみです。
1位 DetonatioN Foucs Me
DetonatioN Foucs Meは現状、LJL内で圧倒的最強を誇っているといっていいでしょう。戦績は20勝1敗です。去年はEvi選手を起点に作っていくチームでしたが、今シーズンはYutapon選手を中心に試合を進めていっている印象です。また、元PGMのRamune選手が加入しMIDが2人体制に変わりました。
この2人体制により戦術の幅が増えたため、BO5では今までのDFMよりさらに手ごわくなるでしょう。また、Gaeng選手の加入もあり集団戦の強さも増しています。BO5で相手がよほどの作戦をとってこない限りDFMは優勝する可能性が高いです。ファンボとしてもまた世界で戦うDFMが見たいです。
DFMの強さ、2人体制の意図、考察などについて書きたい所ですが、推しチームのため長くなってしまうので別記事で上げたいと思います。
一言言えるのは、このチームは考えているステップ、見えている景色が他のチームと違うというところです。
総評
いかがだったでしょうか。今シーズンのLJLは選手個人だけでなくチーム自体のレベルも非常に上がっており、チームごとの特色が強くみれたシーズンだったのではないかと思います。今年から会場も大きくかわったことによりファンが選手に接する機会も増えたと思います。進行役のタケトさんもLJLに馴染んでおり、今後はこういった外部の人間をどれだけ巻き込めるかが重要になるでしょう。
去年DFMがプレイインのグループステージを突破したこともあり今年のLJL優勝チームにはプレッシャーが重くのしかかると思いますが、LJLチームが本戦で戦うところをいつか見たいので頑張ってほしいです。
LJLセミファイナルは4月6日、LJLファイナルは4月13日に行われます。どちらも土曜日なので皆さんぜひ見ましょう。
ちなみに14日の早朝3時からはLCSのファイナルも行われます。こちらも必ず見ましょう。
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LCS Cloud9 vs Clutch Gaming
Cloud9 vs Clutch Gaming
LCS第9週2日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
C9はすでに2位通過が決まっているためこの試合はC9Academyの選手が出場しました。
C9はHuniを警戒し、Carryチャンピオンをバンしていきます。
CGはジェイス、サイラスに加えDiamondの得意チャンピオンであるスレッシュをバンします。
C9は1stpickに評価の高いリサンドラを選択します。
それに対しCGはカーサスとルシアンを選択。Huniもルシアンを使えるため、2チャンピオンともフレックスになっています。
対してC9はジンクスとブラウムを選択。ジンクスはLCSの中で最近ピック率が増えていますが、大きな理由としてパワースパイクが試合展開に合っていることと、サブパスでクッキーを選択できることによるレーンでの安定性の向上が挙げられます。
最後にCGはラカンを選択します。これによりエンゲージ能力の確保とザヤのプレッシャーをかけることができます。
2ndバンにC9はHuniの狙い撃ちを続け、ブラットミアとランブルをバンします。
CGはBlaberがアグレッシブなチャンピオンを好むためエイトロックスとノクターンをバンします。
CGは序盤からアグレッシブに動いていきたいため、リーシンを選択します。
それに対しC9はリーシンのカウンターでもあり、Blaberと相性の良いレクサイ、まだTOPはブラインドのため、あくまでも耐える選択でGPを選択します。
最後にCGはザヤを選択。これによりHuniがルシアンをプレイすることが確定します。
C9の構成は完全な集団戦です。リサンドラにGP、そしてジンクスはおそらくハリケーンを積むためAOEダメージが豊富でとても強力です。パワースパイクは早いわけではないためレーン戦序盤はレクサイのプレッシャーが重要になってきます。しかし、TOPのマッチアップは厳しいため、アグレッシブに攻めていくならBOT中心に攻めていくことが予想されます。また、強力なエンゲージ手段を持っているチャンピオンがリサンドラしかないため、うまくバロンやドレイクなどのオブジェクトを利用して集団戦を仕掛けていくことが勝利へのカギになるでしょう。
対するCGはTOP.BOTのどちらからも作れる構成です。リサンドラは序盤ナーフの影響でプッシュ力が落ちていることと、リーシンを選択しているためプレッシャーを生かし、相手のジャングルを制圧していくことが理想になってきます。CGには二通りの試合の作り方があります。一つ目はTOPのマッチアップを利用しダイブなどを仕掛けTOP中心に作っていく作り方、二つ目はC9がBOTから作ることを予想し、あえて3 vs 3を作り、勝って相手のウィンコンディションを潰すやり方です。前者はリスクが少なく安定性があります。一方でリスクはありますが後者を選択し成功した場合は一気に試合を決める事ができます。この二つのうちどちらを選択するかも注目のポイントです。
試合展開
ファーストブラッドは2分にBOTでレクサイがガンクを決め起こります。C9は構成からもBOTを中心に動かすことを予想できたにも関わらずCGはガンクを決められてしまいます。さらに言うとガンクの数秒前にC9サイドのジャングルに青バフがあるのをCGは確認していました。ここからレクサイの位置は予想できたにも関わらず、欲張ってCSを取りに行ったため、このような結果になりました。これはCGのミスといっても良いでしょう。
6分にもBOTで少数戦が起こります。リーシンが裏からガンクしに行きますが、ラカンが仕掛けるのが早すぎたため、リーシンが到着する前に2 vs 2が起こってしまいC9が勝ちます。その後到着したリーシンは逃げ場がないため戦いにいきますがあっけなく倒されてしまい、ジンクスが育ちます。CGは序盤から作ることが必要でしたが、BOTへのリソースを無駄遣いしてしまったため、まだ6分ですが厳しい状況になります。
13分にC9がBOTのタワーをシージしに行ったところを狙いCGが仕掛けます。しかし、装備差から3-2トレードとC9が勝ちそのままBOTの1stタワーを獲得します。
その後C9はリフトヘラルドを獲得し、MIDのタワーを二本折り有利を一気に広げます。
23分にルシアンのキャッチオフに成功したC9はバロンに向かいます。バロンファイトが起こりますがなんとか2キルとバロンを獲得します。
バロンを生かしBOTとMIDのインヒビターを獲得したC9はそのままスーパーミニオンとともに圧力を利用し勝利します。
これでC9は通算13勝4敗となりLCS Spring Spritを2位で終えます。
総評
今回C9はAcademyをLCSの試合に出すというチャレンジをしました。C9AはAcademyの中でも圧倒的な強さを誇っていますが、少なくともLCSの下位チーム相手には通用する実力を持っていることが証明されました。同じチームが二つのチームを持つ利点としてチーム内でスクリムが行えるという点があります。C9Aの今回の証明によりC9は常日頃から一定以上の練習が行えているということがわかりました。C9AのメンバーにとってもLCS相手に戦えるという自信にもつながりますし、スタメン争いが過熱することは間違いないでしょう。
ただ一点課題があるとすれば、バロン周辺での戦い方です。迷わずバロンへ行くという判断は評価できますが、バロンファイトの場面、リーシンもピット内にいたため取りきれる確率は50%でした。もし取られていたら試合時間は伸びていたことは確実ですし、逆転される可能性も0ではありません。バロンのシーンではBlaberのみがバロンと戦っていました。バロンをやるのか相手を倒すのか、もしバロンをやるのであれば相手にスティールされないためにどのように立ち回るべきか、一瞬の判断のためとても難しいですが、トップチームと戦うためにはこのレベルで詰めなければなりません。この試合はC9Aの実力が発揮された試合であるとともにさらに強くなるための課題も発見された試合でした。
この試合によりLCS Spring Spritは終了し、ここからはプレイオフになります。C9は2位のため初週は登場しませんが、今最も好調であるTSMと当たる可能性があるため十分な準備が必要です。また、TLにはまだ1勝もできていないため、リベンジを果たさなければなりません。戦い方もBO1ではなくなるのでコーチの手腕に注目です。
追伸、LCSでは先出しでジンクスが多くでていますが、正直急に出てきた理由がまだ煮詰まっていません。知っている方がいたらコメントお願いします。
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LCS Cloud9 vs Fry Quest
Cloud9 vs Fry Quest
LCS第9週1日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
C9はこの試合に勝てばLCS2位が確定します。
C9は1stバンに今1stpick候補と言われているブラウム、リサンドラをバンします。この二つをバンするということはこれらのチャンピオンとは別に狙っているチャンピオンがいるということです。
それに対しFryはサイラス、ライズ、ジェイスと一般的なバンになります。
C9の1stpickはタムケンチです。これはバンからも見てわかるように狙っていたピックです。ここでタムケンチを選択した理由はFryのV1perがスプリットチャンピオンを得意としており、高い確率でFryが131構成を行うためです。
それに対しFryはルブランとレクサイを選択します。C9はMID,JGから作るのを得意としているチームのため、ここの戦いに勝つための選択です。これはとても良い選択だと思います。
対するC9はJ4とモルガナを選択します。タムケンチは強力なエンゲージ手段を持っていないため、それを補完するJ4です。モルガナというチャンピオンですが、ルブランのチェーンに対しブラックシールドで対抗することができます。また、このチャンピオンは今のメタで十分活躍できます。理由としてはウェーブクリア能力が高い事、ULTによる強力なAOECCがあることです。唯一エンゲージ能力がないことが挙げられますが、MID以外、特にJGにエンゲージ手段を持たせることができればMID,JG間で動くことも可能になり、疑似的なリサンドラとして運用が可能です。また、チームによってはBOTとのフレックスが可能なため、戦略の幅が広がります。
最後にFryはラカンを選択します。これによりエンゲージ能力を持ち、ザヤラカンというプレッシャーをかけることができます。
C9は2ndバンにスプリットが可能なリヴェンとエイトロックスをバンします。
それに対しFryはアカリとBOTから作ることができるヴァルスをバンします。
Fryは1stpickにブラットミアを選択します。
それに対しC9はオーンとジンクスを選択します。現状エンゲージができるチャンピオンがJ4しかいないためオーンで強化する選択。ジンクスは少しリスクがありますが、オーン、J4、モルガナとゾーンコントロールやモルガナのブラックシールドによるピールを得意としているためジンクスでダメージが出し切れるという判断です。
そして最後にFryは残っているザヤを選択します。
C9の構成は基本的には集団戦に力を入れた構成です。しかし、MIDにモルガナをおいているため131にも対応することができ、タムケンチによるサイドレーンへのプレッシャーをかけることも可能です。
それに対しFryは序盤からレクサイ、ルブランのプレッシャーを生かし有利を作っていくことが狙いです。集団戦を行うにはCCが不足しているため131で試合を動かしていきたいです。それを手助けするためにガンクが得意なレクサイを選択しているので、Fryにとってはレクサイがどれだけ序盤に有利を作れるかにかかっているでしょう。
試合展開
ファーストブラッドは5分にBOTレーンで起こります。マッチアップの有利を生かしてFryが押し込みますが、ワードが十分に置けていない中で押し込んでしまったためガンクを食らいC9がキルを獲得します。
11分にFryがドレイクに触ったところで集団戦が起こり3-1+ドレイクをC9が獲得します。この集団戦の勝利によりジンクスが育ちBOTの1stタワーをC9が獲得します。
その後C9はヘラルドを獲得しMIDのタワーを獲得、TOPで集団戦が起こります。この集団戦でC9は3キル獲得しバロンも獲得します。
このバロンを生かしC9は24分という速さで試合を終わらせます。
これでC9は通算12勝4敗となり2位通過を確定させます。
総評
C9は131対策にタムケンチ、FryはMID.JGに対抗するためにルブランとレクサイという互いに相手の強みを消すためのBAN/PICKが行われましたが地力の差が大きく、C9が圧勝したといってもいいでしょう。また、モルガナMIDというまだあまり使われていないチャンピオンをピックするというコーチの柔軟さも影響しました。
24分という時間で試合を終わらせたということはthrowがなかったということです。Fryはプレイオフでも対戦する可能性があるため、このような試合内容は非常に重要です。
次の試合がSpringラストの試合になりますが、C9はロースターを大幅に変更し、Academyの選手が出場します。相手はCGですがLCSのチームにどれだけ戦えるかが今後のC9の力を底上げするにあたって重要になるでしょう。
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LCS Cloud9 vs Optic Gaming
Cloud9 vs Optic Gaming
LCS第8週1日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
C9はMIDを再びNisqyに戻します。
C9はタムケンチ、レクサイ、そしてバフされたヴァイをBANします。
OPTはジェイス、ゾーイ、カシオペアです。
OPTの1stpickはリサンドラ、まずはMIDの安定性を優先してきました。
それに対しC9はガリオ、ノクターンとシナジーのある2チャンピオンを選択します。
OPTはスレッシュとエイトロックスです。このエイトロックスはC9が好んで使うため、取り上げた形になるでしょう。
最後にC9は序盤レーンで有利を作るためにルシアンを選択します。
OPTは2ndバンにジャックスとノクターンと相性のいいジリアンをバンします。
C9はルシアンを選択しているため、絶対にレーンで有利を築かなければなりません。そのため、レーンの強いカリスタ、ドレイブンをバンします。
C9は1stpickにTOP,MIDの両方が可能なアカリを選択。
それに対しOPTはエズリアルで耐える選択。そしてバフされたスカーナーを選択します。
最後にC9はレーンをコントロールし、サイドレーンに出れるタリヤを選択します。
C9の構成は全レーンにプレッシャーをかけつつ相手のジャングル内に入っていく強気な構成です。MIDにタリヤを選択しているのでMID.JGがともに動き試合を動かすことが要求されます。
OPTは集団戦を意識しつつピックアップを狙う構成です。リサンドラ、スカーナー、スレッシュなどキャッチに特化したチャンピオンがいるためこれらをうまく使い試合を動かしていきたいです。
試合展開
ファーストブラッドは4分にノクターンがTOPにガンク成功し起こります。
この試合ではノクターンが積極的に動いていくことが必要なので、ここでキルが入ったのはとても大きく試合を動かしやすくなります。
12分にはOPTがTOPにリフトヘラルドを召喚した所をカウンターし、2キルを獲得します。
28分にも集団戦が起こりこの時点でノクターンが7/0/4と完全に育ち、試合の主導権を完全に握ります。
35分にバロンのにらみ合いの中で集団戦が起こりC9が2キル獲得しバロンへ向かいます。
バロンを獲得したC9はその後残りの3人も倒しエースを獲得。バロンを生かして一気にゲームエンドします。
これでC9は通算11勝4敗となり、次節の試合に勝利すれば2位を確定させます。
総評
前回の試合ではコミュニケーションエラーなど複数の問題が起こり敗北してしまいましたが、この試合ではSvenskerenを中心に安定した試合展開だったと思います。特にSvenskerenの使うノクターンはこの試合、積極的に少数戦を起こし、C9の有利を一気に広げました。この試合のMVPといって良いでしょう。
今回の試合ではC9お得意のノクターンガリオというコンビを使い快勝しましたが、C9の課題は強いシナジーを持ったチャンピオンを取れなかった場合の試合展開にあります。明確なチームコンプを持った構成ができた場合のC9は戦術理解度の深さが見れますがそれ以外だと動きに統一性が見られない場合があります。得意の構成が使えなかった場合の動きに磨きをかけられるか、そこがC9の今後の課題になるでしょう。
LCS Cloud9 VS Echo Fox
Cloud9 vs Echo Fox
LCS第8週1日目に行われた試合です。
両チームのBAN/PICK
C9はすでにプレイオフ進出を決めているため、MIDをNisqyからGoldenguleへ変更しています。
C9はゾーイ、スレッシュ、ジェイスをバン、Foxはキンドレット、カシオペア、ヤスオと全てターゲットバンを行います。
C9の1stpickはサポートとして今評価の高いガリオです。
それに対しFoxはガリオと相性の良いJ4のとりあげとガリオに対してのカウンターとして出てきているブラウムを選択します。
ラストピックにC9はレクサイとヴェインを選択。レクサイはULTでバックラインに飛び込めることからガリオと相性が良いです。また、C9はプレイオフに向けてヴェインというチャンピオンを選択します。
Foxはこの選択に対し射程で有利をとれるジンクスをピックします。
2ndバンではC9はルブラン、リサンドラ、Foxはシンドラ、ライズと両チームともにMIDに集中的バンを行います。
Foxは1stpickにTOP,MIDのフレックスが可能なブラットミアを選択。
C9はこのpatchで復権したアカリとエイトロックスを選択しTOP.MIDのフレックスを行います。
Foxはラストピックにレーンでコントロールが取りやすいアジールを選択します。
C9はレクサイを生かしてレーン戦から圧力をかけていく構成で、レーン戦後は131をメインとして戦っていき少数戦を仕掛けていくアーリーゲームに重きをおいている構成です。
Foxはレーン戦は安定して進めつつレイトゲームの集団戦に重きをおいています。
C9はエイトロックス、アカリとレーン段階からキルプレッシャーをかけられるチャンピオンを選択しているのに加えレクサイというガンクが非常に強いチャンピオンを選択しています。また、C9は集団戦で勝つのは時間がたてばたつほど難しくなっていきます。131構成を基調としていますが、エイトロックス vsブラットミアのマッチアップは徐々にブラットミアが勝ち始めることが予想されます。131構成は対面に勝つことを前提としているのでこの構成の強みを生かすためにもC9は素早く試合を進める必要があります。
Foxはバックラインに飛び込めるブラットミア、J4。そして高いDPSを出せるジンクス、アジールに加え、ピールに特化したブラウムを選択しています。また、Foxはスケールするチャンピオンを多く取っているため、試合時間が長くなればなるほど有利になっていきます。序盤は相手のキルプレッシャーがとても高いため、安全に行い、装備が整うまで待つ必要があります。
試合展開
ファーストブラッドは12分に起こります。Foxサイドの青バフがわくタイミングを狙って相手ジャングル内に入り少数戦を起こします。C9は序盤から仕掛けることが必須のため、このキルでテンポを取り始め、この後もキルやリフトヘラルド、ファーストタワーとオブジェクト有利を広げていきます。
22分のシーンです。C9は順調にレーン戦を進め構成の強みである131に移行します。しかし、ガリオがWを使った後2対4にも関わらずEで相手に突撃しにいきます。当然人数さでFoxは有利を持っているため1-4トレードになり、Foxがバロンを獲得します。
このシーン、ガリオがEをする前にOMWピングを出しており、C9はここで戦うつもりだったようです。しかし仲間との距離を確認しきれていなかったため、大事故が起こりました。これは完全にコミュニケーションエラーです。
もう一つ、このシーンで大きな問題があります。この集団戦、アカリはTOPタワーを折ったあとに合流したため着いた時には集団戦は終わっていました。2枚目の画像を見るとわかりますが、Foxサイドの体力はまだ多く残っています。しかしこの後アカリはこの中に突っ込んでいき何も得られずに倒されていくというソロキューのようなプレイを行います。もちろんこのシーンの敗北のきっかけは最初のコミュニケーションエラーですが、個人的にはそれよりもこのアカリのプレイの方が不可解でした。
27分、C9がレクサイ、ガリオのコンビネーションを生かして仕掛けます。先ほどのシーンもガリオから入るのではなく、レクサイから入り、そこにガリオのULTで入っていくというようなプレーをすべきでした。
30分の集団戦に負け、バロンを取られたシーンです。この試合で一番意味が分からないことが起こります。
一つずつ見ていきましょう。
まず、この時点でエイトロックスはブラットミアに対し1vs1で勝てなくなっていました。つまり131構成の時間切れが来てしまったわけです。そうなるとC9が勝つには集団戦しかなくなります。しかもFoxは集団戦構成であるため、なるべく早めに戦わなければなりません。そして集団戦を行うにはオブジェクトを利用するというのが一番早いです。この時もっとも利用しやすいオブジェクトは30秒後にアップするドレイクでした。ということはC9が勝つにはこのドレイクを利用し集団戦を起こすことが必要になっていきます。では、集団戦での勝率を少しでも上げるためにできることは何か。それは視界管理です。つまり、このシーン、C9が行わなければならないのはドレイク周辺の視界管理というわけです。
しかし、このシーンを見てみると何故かアカリがTOPのウェーブクリアを行っています。このプレイは本当に謎です。このアカリのプレイによってFoxは一気にドレイク周辺の視界管理を行います。当然C9は4人なのでこの視界争いには参加できません。
この1プレイでC9は集団戦を起こすことができなくなります。
そしてFoxは当然ドレイクを獲得します。ではこの間にC9は何を行っていたかというと、この直後にアップしたバロンの周辺の視界管理を行おうと動きます。確かにバロン周辺の視界管理で相手のTOPサイドの視界まで掌握できれば、このドレイクのシーンと同じような集団戦に臨むことができます。しかし、Foxはドレイクを取ったあとすぐにバロン周辺に向かいます。この短時間では当然ですがC9はTOPサイドの視界を取り切ることは不可能です。つまり、これでC9はドレイク前と同じシーンを作ることができなくなってしまいます。
当然奥の視界まで取り切れていないC9は相手の位置が見えないため、仕掛けることができません。しかし、この瞬間C9は相手の位置が把握できていないのに対しFoxはC9全員の位置を把握できました。そして..
当然仕掛けられ集団戦に負けます。そしてバロンも取られます。
このドレイクから集団戦に負けるまでの一連の流れは本当に意味が分かりませんでした。
C9の構成はウェーブクリア能力がまったくありません。このままバロンを生かされFoxが勝利します。
これでC9は通算11勝3敗になりました。
総評
この試合C9はNisqyに替えGoldenglueが出場しましたが、この試合を見る限り残念ながら彼はトップチームで戦うには難しいという印象を受けました。人数不利にも関わらず戦いに行き不利を伸ばしてしまう、マクロの状況判断の低さ、試合を通してのアカリの存在感の薄さなど課題が多数でるという形になりました。
もちろんZeyzalのコミュニケーションエラーも大きな問題です。このシーンからC9のプランは崩れました。しかし、プランが崩れた中での勝ち筋を潰したのはGoldenguleの影響がとても大きいです。
間違えてはいけないのはこれはチームゲームです。Goldenglue一人の責任ではありません。ドレイク前のシーンはどういう会話があったのか、どのような判断材料からあのマクロ判断になったのか、チーム内で解決していかなければならない問題です。
しかしこの敗北によって3位のTSMに詰められてしまいました。もう一度負ければ同位になる可能性が高いためC9はもう負けることは許されません。緊張感をもって試合に臨むことが必要でしょう。